今年も気温が高い日が続いています。水分と塩分の補給を意識している方も多いことでしょう。

今年、私がサポートしているアスリートの中で流行っているのが、梅干しです。普段から食事の際に必ずとっているアスリートは多いのですが、夏場は数を増やして食べています。

商品表示を見て原材料を確認

梅干しを購入する場合、商品のパッケージに「塩分○%」と書かれているのをチェックして、夏場は塩分が高いものを選んでいるようですが、それ以上に私がアスリートに話しているのは「塩分よりも、原材料をチェックしよう」ということです。

農林水産省の漬物に関する日本農林規格で「梅干し」か「調味梅干し」の表示が義務付けられているので、容器の表示を見ればひと目でわかります。そもそも梅干しは、梅と食塩、好みによって赤シソを加えて作られる長期保存食です。しかし、市販されている梅干しの成分表示を見ると、ぶどう糖果糖液糖や還元水あめ、砂糖などの糖が使われている「調味梅干し」が多く、賞味期限も半年ほど。アスリートに食べている梅干しの写真を送ってもらうと、調味梅干しのことが多くあります。

塩分やクエン酸の量にも違い

梅干しは主食と一緒にとることが多いため、糖質を梅干しから摂る必要はありませんし、調味梅干しに含まれる糖質の種類も、あえて摂取する必要はないものです。また梅干しにはクエン酸が含まれており、その効果を期待して摂取しているアスリートも多いのですが、調味梅干しには梅干しの2分の1しか含まれていないというデータもあります。

今回紹介する「夏野菜の梅おひたし」はオクラ、アスパラ、ミョウガ、パプリカ、ミニトマトのほか、鶏ささみやモッツァレラチーズを、梅干しを使っただし汁に漬け、冷蔵庫で冷やしたものですが、このときの梅はぜひ、調味梅干しではなく「塩で漬けた梅干し」を選んでください。

食品成分表によると、調味漬け梅干しの塩分が7.6gに対し、塩漬けの梅干しは22.1g。塩のみで漬けた梅干しは塩分が高く、クエン酸が多いので夏バテ予防に役立ちます。ぜひ抗酸化作用の高いシソも取り入れてみてください。

また冷たいものは体温を下げる効果も期待できます。冷たいものを飲むよりも、適度に食事で冷たいものをとり入れることで食欲が落ちることも防げるので、「夏野菜の梅おひたし」はその点でもぴったりです。

管理栄養士・川端理香