栄養サポートをしているチームに今、意識してもらっていることの1つが「体水分量」です。体水分量自体は身体組成計で測定することができますが、尿比重や練習前後の体重なども考慮しながら取り組むようにしています。
暑くなる前の今こそ水分補給
夏場は暑いので、こちらが何も言わなくても選手は積極的に水分をとりますし、コーチングスタッフも練習を中断して水分を補給させます。むしろ、今の時期の方が水分不足のアスリートが多いのです。しっかり補給していると自分では思っていても、実際には不足していることもあるので、こまめな水分補給はもちろんのこと、飲む際にはいつもよりも数口多く飲むといった意識をすると良いでしょう。
さて、今回はアボカドを使ったレシピを紹介します。「アボカドと豚肉のおろしニンジン煮」です。
食べ過ぎればエネルギー過多で体脂肪に
「アボカドは身体に良い」というイメージを持っている人も多いと思いますが、多くの栄養素を含む一方で脂質が多く高エネルギーです。積極的に食べているアスリートも多くいますが、食べ過ぎればエネルギー過多になり、体脂肪は増えます。「アボカドの脂質は不飽和脂肪酸だから摂りすぎてもいいのでは?」と脂質を少し理解しているアスリートはそんな質問をしてくることもありますが、どんな脂質も摂りすぎれば体脂肪に変わるのです。
とは言っても、強度の高いトレーニングを行うときはエネルギーが必要ですし、抗酸化作用の高い食品は積極的に摂りたいもの。脂質が多いということはエネルギーをより多く摂れますし、ビタミンA、D、E、Kといった脂溶性ビタミンの吸収を高めるというメリットもあります。
「アボカドと豚肉のおろしニンジン煮」は、ビタミンB群がしっかり摂れるメニューです。ご飯が進む味付けですので、ご飯をたくさん食べれば、たくさんの糖質が摂れます。体内でエネルギーに変えるにはその分、たくさんのビタミンB1が必要になりますが、豚肉とアボカドからしっかりB1を補給することができるので、素早い疲労回復に役立ちます。
さらに、アボカドに豊富に含まれるビタミンEやK、ニンジンのβカロテンがトレーニングによって破壊された組織の修復のために働いてくれますし、気温の変化が著しいこの時期の免疫低下を防ぐなどの効果も期待できます。ハードな練習の後に摂って欲しいメニューです。ぜひお試しください。