前回のコラムでは、私が指導するバレーボール女子中学生のクラブチームで行った「おうち合宿」、またその際に「朝食作り」の課題を出したことについて書きました。ほとんどの子どもが「主食・主菜・副菜・乳製品・果物」をそろえており、よくできていました。提出のためとはいえ、理解したことを自分で実践したのは、とても大きいと感じます。

「おうち合宿」の朝食作りの課題で変化

この体験によって、その後の生活でも子どもたちに変化の兆しが表れてきています。

保護者からも「練習後の家庭での食事で、小食だった子がこれまでより随分食べるようになってきました」「子どもが料理をするようになってきました」と、うれしい報告がありました。子どもには、そのような変化をほめつつ、「課題提出のためだけでは意味がないよ」と話をしています。

継続することで適した料理が分かるように

最終的な目標は、選手自身が今の自分のスポーツ活動に必要な栄養と食材を結び付け、その食材をおいしく食べられるように、効率的に調理する力をつけることです。このような課題を継続していけば、食材の扱い方や保存、適した調理法や味付け、旬なども自然と分かってくるでしょう。

このコロナ禍で、学校現場では調理実習などもままならない状況だと聞いています。部活動の停止や時間短縮など、思うように活動できないこともあると思いますが、家庭での生活時間が確保できる今だからこそ、食事作りは実行しやすいのかもしれません。カラダづくりのトレーニングを個人でしつつ、子どもが調理する時間を増やしてみてはどうでしょうか。

今回紹介するのは「ソラ豆とシラスのご飯」です。

ソラ豆は初夏が旬の食材です。糖質だけでなくタンパク質も多い豆です。ここに含まれる亜鉛は、筋肉や骨の材料のタンパク質が細胞を作る手助けをします。

ただ、鮮度が落ちやすいので、購入後はなるべく早く使わなければいけません。これも季節感のある食材だからこそです。

一緒に入れるシラス含め、糖質、タンパク質、鉄分、カルシウム…すべて成長期に大事な栄養がとれるごはんです。季節感のある食べ物で食卓の話題を作り、家庭での食育をしていきましょう。

管理栄養士・月野和美砂