学校生活もひと月が過ぎるころです。新中学1年生、新高校1年生は新たな生活に慣れてきたでしょうか。

新しい環境でスポーツ活動を始めたときの最初の課題は、練習に慣れるということ。以前よりも大幅に練習量が増えることが多く、また、3月までは受験などで運動そのものをほとんどしていなかったという人もいるでしょう。

運動に慣れていない時期は無駄な動きも多く、疲労しやすいので、新しい環境に入った人ほど「食事からの栄養補給」を大事にしてもらいたいと思います。

栄養はチームではたらく

この時期に多いのが、「さあ、カラダ作りだ」「筋肉量を増やしたい」とタンパク質の多い食品に偏ったり、プロテインなどのサプリメントをやみくもに摂取したりする選手ですが、その効果は限定的です。大人の選手が粉末のプロテインを使う姿を見て、憧れていた気持ちも分かりますが、成長期の選手が使うのはまだ先の話です。

栄養は単独で効果が出るのではなく、「チームではたらく」のです。糖質・タンパク質・脂質も単独ではエネルギーにはならず、ビタミンB群を中心に様々な栄養素が作用することで、初めてエネルギーとなります。

サプリメントはピンポイントで欲しい栄養素がとれ、吸収力があるというメリットがあります。一方、食事での栄養補給は消化吸収の時間がかかるものの、食材が色々な栄養素を含んでおり、バランス良くとれるところがメリットです。

まずは何でも食べられるように

ジュニア世代はまず、毎日の食事を好き嫌いなく食べること、朝からしっかり量を食べられるようにすることが大切です。食べられる食品の幅を広げ、しっかり噛んで食べて内臓を鍛えることも重要です。もっと「食事が持つチカラ」を信頼して、何でも食べられるようにしていきましょう。

今回は「春キャベツと油揚げとアサリの煮浸し」を紹介します。巻きがふっくらとした春キャベツは生のままサラダにしたり、さっと炒めて食べてもおいしいですが、今回は簡単な煮浸しにして、かさを減らして食べやすくしました。

油揚げの油抜きは、お湯で軽く煮たり、お湯をかけたりする方法もありますが、時間がないときはキッチンペーパーで挟むだけでも余分な油を吸い取らせ、減らせます。アサリはタンパク質だけでなく、鉄分も期待できます。今回は手間のかからない冷凍のものを使用しました。

このように食材を生かし、摂りたい栄養素がとれるのが料理の良さです。栄養をとろうとしてサプリメントに飛びつくのでなく、「食事のチカラ」を生かして体作りを始めませんか?

管理栄養士・月野和美砂