先日、神奈川県内の中学校サッカー部を対象にスポーツ栄養のセミナーを行い、サッカーに必要な基本的な食事について話をしてきました。彼らは成長期でもあるので、身長を伸ばすことにも興味津々です。
成長と運動のためのエネルギーが大切
まず説明したのは「エネルギーが大事」ということ。成長期の子どもたちは、最低限必要な基礎代謝の上に発育や発達のためのエネルギー、さらにスポーツ活動のためのエネルギーが必要だということです。また1つ1つ、食品構成の話を進めていきながら「これは食べられる?」「おからって何からできてるかわかる?」などと反応を見ながら話を進めたところ、約80分間集中してよく聞いていたようでした。
終了後、顧問の教諭から「生徒たちも楽しそうに、真剣に取り組んでいて、先生の話に釘付けになっていました」との感想をいただきました。以下選手たちの感想です。
・ご飯の量が多くて驚いた。もっととれるように頑張ります
・食事が何においても大切だということがわかりました
・いつも朝ごはんは適当になってしまっているから、明日からはしっかり毎食食べて行きたい
・食事が運動だけでなく勉強に影響すると知って驚きました
食事以外での感想として多かったのが、「これからは睡眠を大事にする」というものでした。
親の言うことをきかない思春期
思春期の子どもたちは親の言うことをきかない年代です。セミナーで真剣に話を聞いていた子どもたちも、もしかしたら家庭では親の言うことをきかないのかもしれませんが、今回の私のように、少し遠い関係の大人が話すとスッと心に入っていくことがあります。
思春期の扱いにくい年代は、成長スパート期でもあります。親に反抗したり、言うことをきかなかったりで食事がおろそかになってほしくありません。このような機会を通じて子どもたち自身が食事の量やバランス、偏食の克服、生活習慣の改善などができるよう、スポーツ栄養士が保護者や先生方の強い味方として加わり、みんなで子どもたちを育てていけたらと思います。
今回は「ブナシメジとタラコのバター炒め」です。
キノコ類には骨の成長に必要なビタミンDやナイアシン、モリブデン、カリウムが豊富に含まれます。また不溶性・水溶性食物繊維があり、お通じを良くします。今回はブナシメジを使いましたが、シイタケでもエノキでも作れます。タラコにはビタミンB1が多く、ご飯などの糖質の代謝を促します。
いつもセミナーで私は「栄養はチームで働く」と話します。子どもたちに食材の話をしていくと、意外に「キノコが苦手」という子がいますが、タラコとバターと一緒に炒めたら、おいしく食べられたという子が出てくるかもしれません。色々な食材を食べて、栄養をチームで働かせられるようにと願っています。