FIFAワールドカップ(W杯)カタール大会でのサッカー日本代表の劇的な勝利の数々から「絶対にあきらめないことの大切さ」を学ばせてもらいました。

最近の子どもたちの中には、新たなチャレンジに挑戦もせずに「無理」「できない」と最初からあきらめている子が少なくありません。予想を覆して何かを成し遂げようという気概のある子の数は減り、学校の先生やクラブの指導者、身近な大人が何度挑戦を促しても、その1歩を踏み出す勇気がない子どもが多いのです。

サッカー日本代表の活躍は、そんな子どもたちの心を大きく動かし、チャレンジする大切さを教えてくれたと思います。

科学の進化とともに大切なチャレンジ精神

今の時代は、科学やデータをもとに合理的に生活することが当たり前となり、ひたむきに頑張ることやあきらめずにコツコツと努力することは、忘れられてきたところがあります。勝率や成功率といったAIなどを使った科学的な分析から示された数値を、私たちは必要以上に重く受け止めてきたのかもしれません。

一方で、サッカーの戦術や強化においても膨大なデータを分析し、緻密に組み立てていることと思います。スペイン戦の逆転決勝ゴールは、半自動化となったビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の技術によって認定されました。進歩する科学を存分に生かしての結果です。

つまり、科学の裏付けに選手の卓越した競技力、そこにあきらめない精神が加わることで、専門家もデータも予測しえなかった結果が生まれるのだと思います。データや成績は過去の数字です。それに振り回されることなく、未来に向かって自分の信じる道をひたむきに進むことが大切ですね。

毎日の生活の中で、子どもたちはスポーツ以外にも初めて挑戦しなければならないことが次々と出てきます。できないことを1つずつできるようにしていく、それはみんなチャレンジから始まります。ひたむきに突き進む、あきらめない、絶対にできるようになるぞ! と自分を奮い立たせる、そんな強い意思はいつの時代でも必要だということです。

今回は「チャレンジおせち!栗きんとん」を紹介します。栗きんとんは金運上昇を願うおせち料理です。栗は「勝ち栗」というように、戦の勝機を高めるという縁起かつぎもあります。来年の金運と勝負運を高めるためにも、栗きんとん作りにチャレンジしましょう。

ハンドブレンダーがあれば裏ごし不要

栗は市販の甘露煮(シロップ漬け)を使います。きんとんの主材料はサツマイモで、栄養的には糖質が多いメニューです。炭水化物の中の糖質は、脂質やタンパク質に比べ、即効性のあるエネルギー源です。日々の練習や試合のここ一番という大事な場面で集中力や判断力を支えています。

きんとん作りは、昔は裏ごしが必要でしたが、ハンドブレンダーをお持ちの方であれば、それを使って細かくできます。ハンドブレンダーがない場合は、万能こし器でサツマイモが温かいうちに裏ごしましょう。

細かくなったサツマイモに、砂糖や栗のシロップ漬けのシロップを加えます。ただし、サツマイモは品種によっても甘味が違うので、味見をしながら砂糖の量を調整してください。

きんとんの黄色はたくあんの色にも使われている「くちなし」を使います。12月にはスーパーにも置いているでしょう。

サツマイモをきれいな黄色に仕上げる「くちなし」
サツマイモをきれいな黄色に仕上げる「くちなし」

くちなしは包丁の腹でつぶし、お茶用の紙パックに入れてサツマイモと一緒にゆでます
くちなしは包丁の腹でつぶし、お茶用の紙パックに入れてサツマイモと一緒にゆでます

さあ、栗きんとんを子どもたちと食べて、新たな年のチャレンジへ弾みをつけましょう!

管理栄養士・月野和美砂