スポーツを行う子どもたちに、私は「体作りはチーム戦だよ!」と伝えています。体の中では、様々な栄養素が相互に作用しながら働いているので「何か1つの栄養素や食品を食べておけばいい」という考えは、とても安易です。
今回は、体作りの中でも骨作りに特化して考えていきたいと思います。
まず、一般的に「骨=カルシウム」だと思われている方が多く、成長期の選手がカルシウムのサプリメントを飲んで満足しているケースが多いように思います。もちろん、カルシウムも骨の材料の代表格ではありますが、他にもタンパク質、ビタミンD、ビタミンK、ビタミンCなど多くの栄養素が必要になります。
多くの栄養素とエネルギーが必要
ビル建設に例えてみましょう。タンパク質は鉄骨、カルシウムはセメントの部分をイメージしてください。ただ、建設材料がそろっても「働く人」がいないとビルはできません。
この「働く人」こそ、エネルギー摂取量です。カルシウムやタンパク質が十分摂れていても、摂取エネルギー量が満たされていなければ、骨の形成以上に骨の破壊が促進され、骨量減少を招くといわれています。つまり、欠食や糖質を抜くなどした食事は当然ながら、運動量が多くてエネルギー摂取量が追い付かない場合も、骨作りにはマイナスです。
身長が伸びた後に骨の強度は高まるので、身長が伸びるまでだけでなく、それ以降も様々な食品をしっかり食べることが大切です。骨作りのために、とってほしい食材を「か・ご・し・ま・く・ろ(りょ)・牛」で表してみましょう。
か・ご・し・ま・く・ろ(りょ)・牛
か=かいそう→マグネシウム、ビタミンK
ご=ごま(種実類)→ビタミンE、マグネシウム
し=しいたけ(キノコ類)→ビタミンD
ま=まめ→タンパク質、カルシウム
く=くだもの→ビタミンC 骨の基質を形成するコラーゲンの合成に必要
ろ(りょ)=緑黄色野菜→ビタミンK、ビタミンC
牛=牛乳、乳製品→カルシウム、タンパク質
様々な栄養素を摂るということは、品数が多くなるということではありません。品数を増やすと作り手の手間も増えますが、いつものメニューに材料を追加したり、入れ替えたりすることで摂取する栄養素を追加することができます。
今回は、「1皿で完結!カルシウムたっぷり塩焼きそば」を紹介します。1皿に小松菜、桜エビ、シラス干しを加えて、カルシウムたっぷり。その他に豚肉、卵と2つのタンパク質食材も入っています。
骨作りの材料がすべて入った塩焼きそば。いつもの焼きそばに一工夫で、アスリート向けレシピに大変身します。