暑くなり始めた時期は、体が暑さに慣れておらず熱中症になりやすいと言われています。特に梅雨の晴れ間は湿度が高く、余計に食欲も落ちやすくなります。

そのような時期に食欲に任せて食事をしていると、食べる量が減り、食べやすい冷たいめん類のみになりがちです。連日の糖質単品食は、タンパク質やその他の栄養素の不足につながり、夏バテの要因にもなります。

エネルギー源だけではない糖質の役割

糖質は1gあたり4kaclのエネルギーを有しており、運動のみならず生命維持活動のためにも重要なエネルギー源です。摂取後、消化吸収されると、体内には筋肉や肝臓にグリコーゲンの形で蓄積されます。

グリコーゲンが1g貯蔵されると同時に約3gの水分が蓄積されます。つまり、体内の水分量に糖質が影響を与えているということです。同じ環境で同じトレーニングをしていても熱中症になる人とそうでない人がいますが、トレーニング時の水分補給のみならず、朝ごはんを食べてきたのかどうかなど、食事も確認する必要があります。

化学式から見るタンパク質の必要性

エネルギー源である糖質、脂質は、C(炭素)、H(水素)、O(酸素)の組み合わせによって構成されています。一方、タンパク質は、CHOに加えN(窒素)で構成されています。つまり、タンパク質も糖質や脂質同様エネルギー源にはなるけども、糖質や脂質では、体作りを担うタンパク質の代わりはできないということです。

そこで、タンパク質をいかに食事に加えていくかという戦略が必要です。

例えば、麺類を食べるときに納豆や卵などを追加、ご飯を食べるときに丼にして肉や卵などを追加するのはどうでしょう。タンパク質の量は日常的には把握が難しいので、種類をカウントしていくと良いですね。1食2~3種類はとれるように心がけましょう。

一方、食卓に様々なおかずがあっても食欲がなく(もしくは小食で)、食事量が少ない人の場合は、主食(コメ)、主菜(ニク)、副菜(野菜=ベジ)を交互に食べることがポイントです。リズムで覚えていくと、小さいお子さんでも理解しやすいのでご紹介します。

練習の日:ニク、コメ、ベジ、コメ、ニク、コメ、ベジ、コメ♪
休みの日:ニク、コメ、ベジ、ベジ、ニク、コメ、ベジ♪

練習の日は2回に1回、必ずコメを食べます。エネルギー消費量が少ない休みの日は、練習の日よりお米の回数が減ります。保育園児でも理解し、順番に気を付けるようになるので試してみてください。

今回は食欲が落ちやすい時期にご飯が進み、タンパク質も野菜も摂取できる「ビビンバ丼」を紹介します。牛肉とホウレン草で鉄強化ができます。コチジャンなどの効果で、食欲がない時でも箸が進みます。

KAGOSHIMA食×スポーツ/管理栄養士・長島未央子