今回は10月2日が「豆腐の日」ということにちなんで、あまり目立たないけど栄養価の高い食品「豆腐」についてお話しします。

スポーツ選手の皆さんは、強い体を作るために食事でタンパク質を摂ることを意識している人が多いですよね。私たちがサポートしている選手の食事を見ても、「肉、魚、卵、牛乳・乳製品」といった動物性タンパク質の摂取を考えているように感じます。

しかし、豆腐や納豆に代表される植物性タンパク質の「大豆製品」はどうでしょう? 「今日は豆腐を食べてないな」などと振り返ることができる選手はどのくらいいるのでしょうか?

アミノ酸の種類や量に違い

実は、タンパク質と一口に言っても、食品の種類によってタンパク質を構成しているアミノ酸の種類や量、そして体内への吸収率が違っています。つまり、偏った食品からタンパク質を摂っていると、体内に不足するアミノ酸が出てくる可能性があるのです。色々な種類の食品からまんべんなくタンパク質を摂ってこそ、体作りのスタンバイができたと言えます。

そこで、タンパク質の種類を増やすべく、手に入りやすい豆腐を活用しましょう。豆腐の特徴は高タンパク低脂肪で、スポーツ選手に特に必要なカルシウム、鉄などの体作りに欠かせないミネラルを多く含んでいること。安価でこんなに栄養価の高い豆腐を使わないなんてもったいないですね。

木綿、絹、厚揚げ、高野豆腐の違い

ちなみに、豆腐の違いもよく質問されるので簡単に説明しておきましょう。

木綿豆腐 豆乳に凝固剤を加えて一度固めたものを崩してから、圧力をかけて水分を絞り、再び固めたもの
絹ごし豆腐 木綿豆腐よりも濃い豆乳に凝固剤を加えて、そのまま固めて作ったもの
厚揚げ(生揚げ) 厚切りにした木綿豆腐を水切りし、油で揚げたもの
高野豆腐(凍り豆腐) 固めに作った豆腐を小さく切って凍らせ、脱水乾燥したもの

1食分の栄養価の違い

また、製法の違いによって、栄養価も違います。それぞれ1食分の栄養価の違いを下記の表にまとめてみました。

木綿か絹ごしかで迷った場合、スポーツ選手には栄養価の高い木綿豆腐をお勧めします。

今回は豆腐の中でも特に栄養素がギュッと詰まっている高野豆腐を使った1品「高野豆腐の肉豆腐」を紹介します。いつもの豆腐を高野豆腐に変えることで栄養価が上がることはもちろん、噛むと煮汁がじゅわっと口の中にあふれて、とってもおいしくいただけます。

KAGOSHIMA食×スポーツ/管理栄養士・久永まゆみ