KAGOSHIMA食×スポーツから久永です。2020年も残り半月ほどとなりました。コロナ渦で迎える初めての年末、引き続き感染予防に努めながら過ごしていきましょう。

ところで、皆さんは料理にかけることのできる時間はどのくらいありますか。毎日忙しく過ごしていると、正直、あまり時間をかけられないという方もいるでしょう。しかし、アスレシピをご覧の皆さんは、体づくりに興味があったり、栄養価の高いものを食べたい(食べさせたい)と考えたりしているはずですよね。

6割が「手軽に体にいい食事を」

昨年、20代から60代の男女1000人に対して行われた調査(注)では、家庭での食事の調理・準備で意識していることについて「体にいい・健康にいい料理をつくること」「調理時間の短縮や片付けの手間を減らすこと」と回答した人が、全体の6割もいました。つまり、アスリートに限らず、そこまで体づくりへの意識が高くない人でも「手軽に体にいい食事をとりたい」というわけです。

この「手軽さ」と「栄養価の高さ」を合わせ持った食材の1つとして、今回は「魚の缶詰」をお勧めします。

非常食だけでない魚の缶詰

数年前から「サバ缶」をはじめとする魚の缶詰の人気が続いていますが、実はまだブームに乗りきれていないという方もいるかもしれませんね。「夕食に缶詰を使うなんて気が引ける」と考えている方もいるのではないでしょうか。

缶詰は昔から保存食として利用されているため、いまだに災害等の「非常時に食べるもの」と認識している方もいるかもしれませんが、こんなにメリットの多い食品を非常時だけのものにするなんてもったいない!んです。

魚の缶詰のメリット3点

魚の缶詰のメリットは、次のように大きく3つあります。

1、常温で長期間保存でき、保存料は入っていない。
2、魚の豊富な栄養を手軽にとれる。
3、時短になり経済的も負担が少ない。

魚の缶詰の中には「可食部」しか入っていません。中身は骨も汁も全て食べることができます。魚は良質なタンパク質やカルシウムをはじめ、必須脂肪酸のDHA・EPAなどを豊富に含んでいますが、缶詰はそれらをまさに「手軽に」摂れるのです。

また、缶詰はフタを開けるだけなので、調理時間を大幅に短縮できます。生の魚と違って、包装ゴミや生ゴミがほとんど出ず、下ごしらえや後片付けもほぼ不要。さらに捨てるところがないので、時短かつリーズナブルな材料だといえるでしょう。

今回は2種類の缶詰を使った「缶詰で楽ウマ♪イワシのトマト煮込み」を紹介します。イワシのみそ煮缶とトマト水煮缶を使うことで、魚の青臭さを抑えつつ、みそ味でトマトの酸味もマイルドに食べやすくなります。

パスタやドリアにしてもOK

そのまま食べてももちろんおいしいですが、パスタに絡めてもよし、ごはんに乗せてチーズをかけてドリアにしてもよし、の応用のきく一品です。缶詰料理未経験の方もぜひ一度作ってみてください。その手軽さとおいしさにまた作りたくなりますよ。

注=2019年(令和元年)度水産物消費嗜好動向調査(一般社団法人 大日本水産会)

KAGOSHIMA食×スポーツ/管理栄養士・久永まゆみ