3日に立春を迎えて暦の上ではもう春ですが、まだまだ寒い日も多い時期です。

寒い時、私たちは無意識に全身に力が入って縮こまってしまいますよね。これは体温を維持するために体が熱を逃すまいとしているからです。この状態は筋肉が収縮して硬くなっている状態で、このまま運動するとパフォーマンスの低下を招きます。また、柔軟性が低下しているので、筋肉や靱帯(じんたい)、腱(けん)などを痛めやすくなります。

そうならないように、寒い時期の練習・試合前は特に入念にウオーミングアップをすることが重要です。「体を温めること」=「パフォーマンスup」につながります。

タンパク質摂取で体がポカポカの秘密

食事をとった後、体がポカポカ温まるのを感じませんか。実は食事をとることでも体温は上がります。これは「食事誘発性熱産生」といって、体内に吸収された栄養素が分解され、一部が体の熱となって消費される作用によるものです。

この「食事誘発性熱産生」は栄養素によっても異なっていて、タンパク質で摂取したエネルギーの約30%、糖質で約5%、脂質では約4%となっています。つまり、タンパク質を積極的に摂ることで「食事誘発性熱産生」が高くなり、効果的に体を温めることができるのです。体を温めるためにも、毎日欠食することなく食事をとることが大切です。

寒い屋外でもポットのお湯さえあれば

屋外での競技の場合、お弁当の時間になると「電子レンジが欲しい!」という声をよく耳にします。冷え切ったお弁当やおにぎりを食べた経験のある選手も少なくないでしょう。せっかく運動で温まった体も、冷たいものを食べることで、筋肉を縮こまらせてしまっては元も子もありません。それを避けるために、この時期は保温機能のあるお弁当やスープジャー等にスープを入れることができたらいいですね。

ですが、必ずしもそのような準備ができるとも限りませんよね。そのような時でも、屋外での試合等ではポットにお湯なら準備しているチームも多くありませんか? ポットのお湯は最大限活用して、お弁当と一緒にスープやみそ汁などで体を温めましょう。ごはんが冷たすぎて食べたくない場合でも、そのごはんをカップ等に入れて市販のお茶漬けの素などを振りかけて熱湯を注ぐと、温かくして食べることができますよ。

かむ意識アップで消化吸収と体温上昇

市販のお茶漬けの素も便利ですが、始めからお弁当として手作りお茶漬けを準備するのもおススメです。「食事誘発性熱産生」の高いタンパク質をプラスして体を温めましょう。

今回紹介する「サケ茶漬け」は、外でのお弁当の主食としても活用できます。ごはんに顆粒だしを混ぜ込んでいるので、食べる直前に熱湯をかければOK! 今回はサケをメインにしていますが、タンパク源となる具材を組み合わせながら好みに合わせて変更してください。

お弁当として持っていく場合は、この状態でふたをする
お弁当として持っていく場合は、この状態でふたをする

食べる時にアツアツの湯を注いで完成
食べる時にアツアツの湯を注いで完成

それから、お茶漬けはさらさら入っていきますが、よくかむことを意識してください。かむことで消化吸収がよくなりますし、体温も上がります。

KAGOSHIMA食×スポーツ/管理栄養士・久永まゆみ