昨年のことでしょうか。ネット上で、今は「第4次焼き芋ブーム」である、という記事を見つけました。そういえば、“焼き芋スイーツ”がTVや雑誌で話題になったり、コンビニで売られていたり…と、何となく合点がいきましたが、このブームになった理由、皆さんは知っていますか?
品種は世界で約4000種、日本で約40種
その1つに、サツマイモの品種が増えたことが挙げられるそうです。サツマイモは、私の住む鹿児島で全国の生産量の約1/3を生産しています。水はけの良いシラス台地であることや、地中で育てるため、台風の多い鹿児島に適していたことが要因となっています。ちなみにサツマイモの名前は、中南米から中国、琉球経由で九州南部に伝わり、「薩摩の芋」として全国へ広がったことが由来となっています。
さて、その品種ですが、世界には約4000種、日本では約40種が栽培されています。昔ながらのサツマイモとしては「紅あずま」や「なると金時」などがあり、そのまま食べてもおいしく、スイーツの材料としても使われてきました。2000年以降になると、「シルクスイート」や「紅はるか」など、サツマイモそのものがスイーツのように甘く、ねっとりした食感の品種が人気となっています。
ちなみに、鹿児島で最も多く栽培されているのは「紅さつま」。そのほか、種子島在来種の「安納いも」「種子島ゴールド」「種子島ロマン」、焼酎の原材料となる「黄金千貫」、頴娃町(えいちょう)の「えいむらさき」、カロテンの多い「隼人芋」「紅はやと」など、驚くほど多くの品種が栽培され、流通しているため、食べ方によってサツマイモの種類を選ぶことができるのです。
品種は世界で約4000種、日本で約40種
ところで、アスリートの皆さんはサツマイモを食べていますか? サツマイモには次のような効果や理由があるため、アスリートにおすすめしたい食材です。
●糖質補給源となる
●ビタミン、ミネラルが多く含まれる
●食物繊維が豊富なため、整腸効果が期待できる
●減量中に甘いお菓子の代わりになる
仕事柄、栄養士・管理栄養士を目指す学生たちが作ったレシピをチェックすることが多々ありますが、昔と変わってきたことの1つに、おやつ(間食)に蒸したサツマイモが入らなくなったことが挙げられます。ただ蒸しただけのサツマイモは、安価で簡単なおやつになりますが、学生たちには身近なものではなくなっているようですが、ぜひ、この焼きイモブームに乗ってアスリートも栄養士を目指す学生たちも、サツマイモ摂取が習慣になるといいなと思っています。
サツマイモはおやつ、もしくは副菜で使うイメージが強いと思いますが、今回は、ボリュームのある主菜として利用するレシピ「肉巻きサツマ」を紹介します。料理にも使いやすいホクホク系食感の「紅さつま」を使用して、食欲の増す甘辛い味付けで、ご飯のすすむメニューに仕上げました。
またコクを出すために、鹿児島の黒砂糖を使っています。サツマイモの品種や砂糖などの調味料は、皆さんの住む地域で収穫、流通しているものや好みのものを使って、作ってみてください。サツマイモの調理の幅を広げる一品になると思います。