試合時の補食の定番「エネルギーゼリー」は、消化吸収が早いので、試合前や試合間には欠かせないものになっています。また持ち運びも手軽なので、利用している選手は多いですよね。

試合間に「こんにゃくゼリー」は正解か

先日、競技を始めたばかりのジュニア選手が試合間に「こんにゃくゼリー」を飲んでいるのを見かけました。その選手にそれを飲んでいる理由をたずねると、「先に入部しているチームメイトが、こんな形のゼリーを持ってくるよう教えてくれたから」だそうです。

別の日、新規チームの保護者から補食について相談を受けていたら「(レトルト)パウチに入っているゼリーなら、フルーツゼリーでも大丈夫ですよね?」と確認されました。私は慌てて目的に合ったものを選ぶよう説明をして、最終的にはそのチームの選手と保護者全体にお話をさせてもらいました。

このようなことがあったので、今回は補食としてのエネルギーゼリーの目的とその選び方をお伝えします。

エネルギーゼリー摂取の目的とメリット

市販のパウチされたエネルギーゼリーを補食に用いるメリットとしては、持ち運びやすさ、食品の衛生面、保存性、水分補給、消化のしやすさなどがありますが、1番の目的は「エネルギーの補給」です。つまり、ゼリーを選ぶときは外見で判断するのではなく、成分をしっかり確認する必要があるのです。

エネルギー補給のためには、1本あたり160~200kcal程度のものが最適です。また、同じように見えるエネルギーゼリーでもフレーバーが苦手なこともあります。各メーカーから様々な種類やフレーバーが販売されているので、事前に自分の好みに合ったものを探しておくといいでしょう。

いくらパウチに入っているからといっても、「カロリーゼロ」「ビタミン」「ミネラル」をうたっているものだけを摂っていては「試合間の補食」としての効果は得られません。エネルギーが0kcalと表示されている製品は、減量中などに満腹感を満たす目的で利用するには良いかもしれませんが、エネルギー補給にはなりません。こんにゃくゼリーも0~50kcalほどとカロリー控えめです。

試合間にビタミンやミネラルの補給のためにゼリーを利用するなら、エネルギーがしっかり摂れる補食と併用するといいでしょう。

今回は「楽チン!梅シラス丼」を紹介します。時間がないけど、しっかりご飯を食べたい! そんな時にササっと作れることはとっても重要ですよね。乗っけるだけの丼なので、材料さえ準備すれば小さな子どもでも作れます。

梅干しの塩分とクエン酸で熱中症予防と疲労回復の助けにもなります。油を使っていないので、脂質を抑えながらしっかり食べたい選手にもおすすめです。

冷蔵のシラスは消費期限が短いことが気になるかもしれませんが、冷凍のシラスを常備しておくといつでも使えて便利です。今回は丼にしましたが、同じ具材をすべて混ぜ込んで、おにぎりにしてもおいしくいただけます。補食にもぜひ活用してくださいね。

KAGOSHIMA食×スポーツ/管理栄養士・久永まゆみ