子どもの体づくり、大人の健康増進

スポーツの習得には「ゴールデンエージ理論」というものがあり、神経系の発達は12歳くらいまでに形成されるという。特に4~8歳でいろんな体の動きをする方が、いわゆる運動神経のいい子になるとされる。

今泉 日本の子どもの場合、この世代で走っていないことが多い。先進国の中で最も基礎体力が低いともいわれます。その中、45分間で最も走る量が多かったのがタグラグビーだった。それで小学校で導入されるようになったんです。

投げる、受ける、走る、ステップを切るなど、タグラグビーにはさまざまなスポーツの要素が含まれている。4~8歳にタグラグビーをやっていると、将来的にラグビーはもちろん、野球やサッカーなど他のスポーツにも有効だという。同時に今泉氏は大人にもタグラグビーを勧める。

今泉 年齢や男女に関係なくできるので、病気にならない体をつくる、予防医学としても有効。60代だってできます。正式なルールは1チーム4人だけど、人数を増やしたり、男女混成にしたり、変則ルールで楽しむ幅が増えます。40歳以上を必ず1人以上入れましょうとか、逆に15歳以下を入れましょうとか…。家族でチームをつくれたらいいですね。1人でジムに行くより楽しいはずです。

タグラグビーは、ラグビー選手を目指すためだけでなく、子どもの体づくり、大人の健康増進にも役立つと推奨している。

◆藤原秀之(ふじわら・ひでゆき)1968年(昭43)東京生まれ。大東大第一高でラグビーを始め、85年度全国選手権でWTBとして優勝。日体大に進む。卒業後の90年に桐蔭学園高で保健体育の教員、ラグビー部のコーチとなり、02年から監督に。同部は昨年度まで全国選手権17度出場。決勝進出6回、10年度優勝時のメンバーに日本代表の松島幸太朗ら。今や「東の横綱」と呼ばれている。

◆今泉清(いまいずみ・きよし)1967年(昭42)生まれ、大分市出身。6歳でラグビーを始め、大分舞鶴高から早大に進み、主にFBとしてプレースキックなどで大学選手権2回優勝、87年度日本選手権優勝に貢献。ニュージーランド留学後、サントリー入り。95年W杯日本代表、キャップ8。01年に引退した後は早大などの指導、日刊スポーツなどでの評論・解説、講演など幅広く活躍。

(2019年10月27日、ニッカンスポーツ・コム掲載)