年末年始は、家庭でもいろいろな行事があるでしょう。私がサポートしている選手たちも毎年、「せめて1日だけは」と楽しみにしている日があります。その楽しみは、人としての豊かさを育むものなので、すべてをNGにする必要はありません。しかし、気を緩めすぎるのも禁物です。
その日を「選手としての体を維持」しつつ楽しめるように、普段の食事を整えておきましょう。今回は、普段の食事で注意しておきたい3つのポイントを見ていきましょう。
1、水分補給を積極的に
11月中旬から急に寒くなってきました。暖かい時期から寒くなる季節の変わり目は、水分を摂っているつもりでも少なくなります。練習中は意識するでしょうが、日常の水分摂取量が急に低下します。この状況は、体にとって「危険信号」です。
実は、食事も大切な水分補給ツールです。水分をとらなくなると、体が食事から水分補給しようとして、食事量が増えてしまうのです。必要ではないエネルギー量までとってしまうことになるので、体にはマイナスの影響を与えます。
2、タンパク質をしっかりと
年末年始は、いつもとは違う食材や調理のものを食べることになり、タンパク質の割合が全体的に低くなりがちです。特にクリスマスや正月三が日はそうなりますね。その日を楽しく過ごすためには、「その前後の食事に注意する」ようにしましょう。
例えば、夜はちょっと油を使ったものが多くなりそうというなら、朝と昼は「タンパク質を意識+脂質少なめな」食事にするといった具合に。形式としては和食で、メインのおかず(主菜)は「焼く・蒸す・ゆでる・炒める」の調理法にしてみましょう。
3、よく噛む食材を使う
冬は体が温まるうどんや鍋物、シチューが多くなり、「やわらかい食べ物」が多くなる時期でもあります。これは、咀嚼(そしゃく)回数が減る原因です。
咀嚼回数を増やすことは、一番簡単な体重コントロール方法です。厚生労働省は「一口で30回噛む」ことを推奨していますが、これはなかなか難しいと思います。30回でなくても、「今よりも多く噛む」「今と同じ量でも、食べる時間を長くする」ことから始めましょう。
ここまで、普段の食事で注意することをお話ししてきました。それをお弁当に詰め込んだのが、「満腹感アップ!かみかみ弁当」です。詳しく見ていきましょう。
■根菜で意識的に噛む
ゴボウ、ニンジン、レンコンといった噛み応えのある食材、根菜を使用することで、噛む回数が自然と増えます。そのため、満腹感を得ることができます。
■低脂質、高タンパク質の食材使用
体重コントロールをするときに肉類を控える方が多いようですが、鶏のひき肉にして脂質をカットしつつ、タンパク質の低下を抑えます。汁物には豆腐、デザートには豆乳・牛乳を使い、全体的にタンパク質量をアップさせています。
■油少なめの調理法を組み合わせる
おかずの調理法は、なるべくかぶらないようにするのが、食べて飽きさせないコツです。今回は、「レンコンと鶏のはさみ焼き」では「焼く」、「ゆで卵」では「ゆでる」、「ピリ辛コンニャク」では「炒める」として、バリエーションをもたせています。
さて、いろいろあった2020年も残りわずかとなりました。体調管理に気をつけながら、年末年始を乗り切っていきましょう。よいお年をお迎えください。
【管理栄養士・松田幸子】