2月は受験シーズンでもあり、学期末の試験も間近です。ちょうど年度末と重なり、3月末まで選手だけでなく、ご家族も忙しい日々を送られるのではないでしょうか? 体調管理は家族全員に関わること。こういう忙しい時だからこそ、栄養タップリの食事を摂りたいですね。
運動も勉強も「体温」を上げることが大切
ここで食事と関係して注意したいのが「体温」です。特に、この冬は寒さが厳しくなっていますので、体が冷えやすいと感じることが多いでしょう。スポーツをするときと同様に、勉強するときも体温をしっかり上げることが大切。3食とり、睡眠を十分にとっていると朝は体温が低いものの、日中になるにつれて体温が上がり、体や頭が動くようになります。
しかし、勉強と練習、もしくは仕事で生活リズムが崩れると、体温調節の時間が崩れてきます。そのため、「午前中から午後の早い時間まであまり動けない」「仕事の効率が悪い」といった状態に陥ります。生活リズムを整えるのは「運動・睡眠・食事」。その中でも今回は、食事で体のスイッチを入れやすくする方法をみていきましょう。
タンパク質で最初のスイッチ
ヒトは食べ物を食べると、消化吸収のために熱を産み出します(食事誘発性熱産生)。特にタンパク質を多めに食べると、脂質や糖質が多い食事よりも多く熱を作るため、体が温まりやすくなります。忙しいと、おにぎり、ラーメン、サンドイッチなど単品で済ませてしまいがちですが、これは要注意です。
次はビタミンB1で脳のスイッチ
体が温まったら、次のスイッチです。ビタミンB1は糖質をエネルギーに変えるのに必要な栄養素ですが、脳の記憶領域に関係するとも言われています。糖質を多めに食べていると、相対的にビタミンB1不足になります。エネルギーが作り出せないだけではなく、眠くなり、集中力も欠けます。糖質の必要量が多いジュニア選手はもちろん、お酒を飲む家族の方もビタミンB1不足に注意です。
このようなことを頭では理解しているものの、なかなか作るのは「時間がない」という方もいるでしょう。今回は「栄養タップリで時短なもの」をという欲張りさんにオススメの「作るも食べるも時短!タンパクたっぷり弁当」を紹介します。
全てのメニューを時短で調理
前回、1月に紹介した「ワンハンドチャージ弁当」も「おにぎらず」で簡単調理でしたが、今回はさらに時短を加速。おにぎらず(サンドおにぎり)の具は同じ鶏肉でも市販のサラダチキンを使っています。副菜とスープは冷凍野菜やスープジャーにお任せ。まな板と包丁の使用も最小限にしました。
複数のタンパク質源+αで体のアップ
サラダチキン、卵、ハム、チーズ、カニ風味かまぼこと色々なタンパク質源をチョイスし、体温アップを狙っていますが、ここでもう一工夫で、鉄をしっかり摂れるようにしています。鉄は自律神経に関係する栄養素であり、酸素を体の隅々に送る血液中にも鉄は多く存在しているので、体温調節にも有効です。
しっかり糖質+ビタミンB1
加えて、エネルギー源の糖質とビタミンB1をバランス良く摂ることで、頭と体をしっかり働かせ、パワー全開で動けそうですね。忙しい時ほど、食事を工夫できるヒトが勝ちます。毎日のお弁当作り、楽しみながら時短にもチャレンジしてください。
【管理栄養士・松田幸子】