夏休みに入り、ジュニアアスリートの皆さんは練習に、試合に励んでいることでしょう。今回のテーマは「夏に食べやすく、水分もとれるお弁当」です。

気温が高くなると、食欲が落ちてエネルギーの摂取量が足りなくなり、疲労やスタミナ不足に陥ります。うどんやそばといった麺類など、のど越しの良い物を選び、まずは「食べる」ことが大切です。ただ、麺ばかりでは栄養バランスを崩し、良いコンディションを保てません。必ず「基本の6品」を一緒に食べるようにしましょう。「夏バテ防止熱中症対策弁当」を紹介します。

夏バテ防止熱中症対策弁当。協力・サーモス(株)
夏バテ防止熱中症対策弁当。協力・サーモス(株)

夏場の弁当のポイント

①豚肉などのビタミンB1を摂り、麺類の糖質をエネルギーに変える。
②筋肉や靭帯、強い体を作るタンパク質をしっかり摂る。
③汗とともに体外へ流出するミネラルをとる。
④紫外線から体を守るため、抗酸化成分のあるカロテンやビタミンCを意識する。

夏バテ防止熱中症対策弁当の説明

食材を冷凍することで保冷の役割を果たすとともに、食べる頃に解凍され、のど越し良く食べられるようになります。つるつるとしたうどんは、スープで水分補給。一緒に具材も手軽に摂れます。

「凍らせトマトのサラダうどん」
トマトを凍らせるとビタミンの劣化を防げ、うま味成分のグルタミン酸も強くなって甘味を感じやすくなります。食べる頃は溶けて水分が出ているでしょうが、それも汁の中に入れて食べてください。

めんつゆの3分の1を製氷ボックスで凍らせておくと、より冷たさをキープできます。協力・サーモス(株)
めんつゆの3分の1を製氷ボックスで凍らせておくと、より冷たさをキープできます。協力・サーモス(株)

具材は、卵と鶏ささみで高タンパクに仕上げました。前回のコラムで「夏のお弁当には卵や生野菜はやめましょう」とお伝えしましたが、条件さえ整えば入れられます。卵はサルモネラ菌に感染している場合があるので、75度以上で1分以上、中心部までしっかりと火を通します。食中毒の原因となる細菌が増殖するのは15~40度なので、冷やして食べる場合は10度以下に保ちましょう。生野菜も保冷効果の高い弁当箱であれば、入れられます(弁当箱の機能については各自ご確認ください)。

卵はしっかりと火を通しましょう
卵はしっかりと火を通しましょう

「アスパラとカボチャのオイスターソース炒め」
加熱によってカロテンの含有量が上がり、風邪などのウイルスから身を守ります。ビタミンB1の多い豚肉で疲労回復を図ります。

アスパラとカボチャのオイスターソース炒め
アスパラとカボチャのオイスターソース炒め

「アセロラゼリーのヨーグルト添え」
キウイとパイナップルは凍らせてビタミンの損失を最小限に留めます。この2つの果物はゼラチン内に入れると、酵素の関係で固まりません。トッピングとして利用してください。

アセロラゼリーのヨーグルト添え
アセロラゼリーのヨーグルト添え

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