多くの練習量をこなすアスリートは、本格的な夏が来る前にコンディション管理を念入りに行うことが大切です。

外気温が高くなるこれからの時期は、暑さや疲れで食欲が低下しやすく、熱中症のリスクも高まります。脱水予防のための水分補給も大切ですが、汗にはミネラルが含まれているため、食事から水分を補給することが大切です。コンディションを確認しながら、自分に合ったバランスで食事がとれているか、見直していきましょう。

今回は、貧血予防策について説明していきます。

貧血はパフォーマンス低下の一因に

女性アスリートにとって、貧血はパフォーマンスに大きく影響します。貧血の要因には、生理による出血もありますが、発汗によるミネラル流出や足裏の衝撃によって赤血球が破壊されやすいなど様々あり、常にリスクが付きまといます。

特に夏場は発汗量が多く、練習量も増加しがちなので、意識しないと貧血になりやすい季節でもあります。今こそ「貯蔵鉄」をしっかりと蓄えておきましょう。定期的に血液検査を実施して、ヘモグロビン値だけではなくフェリチンの数値を把握しておくと、より安心です(※=関連コラム)。

貧血になった原因を確認しよう

貧血予防といえば、すぐに「鉄」の補給を考える方は多いでしょう。鉄欠乏性貧血の場合、鉄剤やサプリメント、鉄の多く含まれる食品をとることで改善されるケースも多くみられます。

ただし、食事からのエネルギーが充足している状態であることが前提です。いくら鉄を補給したとしても、タンパク質や食事からのエネルギー不足がみられる状態ならば、まずはエネルギー不足を改善しなければ、赤血球を速やかに合成することができません。

また、お腹を壊しやすい、胃腸が弱くて多くの量を食べられない場合、消化吸収の不良によっても貧血は起こります。自分の貧血の原因が何か、どうして貧血になったのかを確認して、その原因に応じて対応しましょう。

今回紹介するレシピは「包丁なしで作れる簡単ばくだん丼」です。

「ばくだん(爆弾)」の由来は諸説ありますが、「ばくだん丼」とは一般的に、生マグロ、納豆、生卵、オクラなどを乗せた丼のこと。オリジナルなばくだん丼をメニューに掲げているお店もありますよね。

包丁なしで作れる簡単ばくだん丼」の具はマグロの刺身、納豆、メカブ、長イモ(とろろ)、キムチ、温泉卵、シソ、ノリ。これをご飯に乗せて混ぜていただきます。この丼には炭水化物を多く含む主食と、タンパク質を多く含む主菜、野菜の副菜の3つの要素が含まれます。具だくさんのみそ汁と合わせれば、さらに栄養価がアップします。

魚を食べる回数が少ない選手も多いですが、刺身なら調理の手間を省くことができます。中でもマグロは鉄が多く含まれ、アスリートには適した食材です。毎日の食事の中で積極的に取り入れましょう。

夏場はなるべく火や包丁を使わないで用意できたら、食事作りの負担も少なくなります。お好みで具をアレンジして、しっかり食べていきましょう。

女子アスリート/管理栄養士・上木明子

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