減量や体型維持のために、サツマイモを食べている女子選手がいるようです。話を聞くと、過去に韓国で大流行した減量法の1つで、主食のご飯の代わりにサツマイモを食べるというもの。「コグマダイエット」(韓国語でサツマイモはコグマ)と呼ばれるダイエット法を機にサツマイモを意識して食べるようになり、便秘解消など体調も変化したようです。

韓国で流行、ごはんの代わりに食べる

サツマイモは糖質が多く、アスリートにとってはエネルギー源として有効活用できる食品です。しかし、本当にサツマイモはダイエットに適しているのでしょうか。秋に旬を迎えるサツマイモの栄養について見ていきましょう。

まず、サツマイモ100gとおにぎり1個分のごはん100gで栄養価を比較してみましょう。

サツマイモとごはんの栄養価比較(100gあたり)
※エネルギーはkcal、タンパク質、脂質、炭水化物、食物繊維はg、ビタミンCはmg

食 品 エネルギー タンパク質 脂質 炭水化物 食物繊維 ビタミンC
ごはん 168 2.5 0.3 37.1 1.5 0
サツマイモ 134 1.2 0.2 31.9 2.2 29

エネルギーに大差なし、量を減らすしか

上記のように、エネルギー量はごはんよりもサツマイモの方が少ないものの、34kcalなのでそれほど大きな差ではありません。減量するには、ごはんをサツマイモに変更した上で、いつも食べている量よりも少なくしないと、効果は感じられないかもしれません。

つまり、単にサツマイモに変えただけではやせないということです。逆に、美味しすぎて食べ過ぎれば当然、太ります。「サツマイモは太る」とかつて言われたのも、それが理由です。

ビタミンCや食物繊維は多く摂れる

一方、ビタミンCや食物繊維はサツマイモの方が多いので、野菜や果物が不足している場合は積極的にとるようにするとよいでしょう。

むしろ、エネルギー量が常に不足しがちなアスリートは、サツマイモはエネルギーを補う手段の1つとして利用できます。ごはんに加えてサツマイモご飯にしたり、補食として焼きイモを練習前後にとったりすることで、エネルギー補給にも役立ちます。

食物繊維が豊富なので、便秘予防のためにとるのも良いですが、逆に食べすぎておなかにガスがたまりやすく、不調の原因になることもあります。体調は個人差があるので、状況を見ながら食べる量を調節していきましょう。

調理法は様々、自分に合った方法で

調理法も様々です。ゆでたり蒸したり、オープンで焼いたりとシンプルにそのまま食べるのもいいですし、料理や菓子に加工することもできます。一度にまとめて茹でておけば、小腹がすいたときにつまんで手軽に栄養補給ができます。自分に合った方法を試していきましょう。

今回紹介するのは「サツマイモスティック」です。皮ごと食べるため、皮に含まれるアントシアンニンというポリフェノールもとれ、抗酸化作用が期待できます。

レシピでは油で揚げていますが、油を使いたくない場合はオーブンで調理するとカロリーオフになります。お好みで、黒ゴマやシナモンなど、トッピングをアレンジしてお楽しみください。冷凍してもおいしく食べられます。凍ったままお弁当に入れると保冷剤代わりにもなります。

女子アスリート/管理栄養士・上木明子