競技や学校によっては、授業前などに朝練をすることがあり、「朝練があるときの食事や補食は、何を食べればいいでしょうか」と質問をされることが多々あります。練習ではエネルギーを使うため、朝練の活動量に見合ったエネルギー補給をする必要があります。今回は、朝練前後の補食や朝食のとり方のポイントについてお伝えいたします。

1、エネルギーは朝練の前にとる

中高生は自宅で朝食を食べてから登校し、朝練を行うことが多い一方、大学生やプロ選手は寮や1人暮らしが多いため、朝練後に朝食を食べる傾向があります。「朝食」自体は練習の前でも後でも構いませんが、どちらにしても「朝練習で使うエネルギー量は練習前にとる」が基本です。

食事が練習後になる人は、「練習前に補食」をとってエネルギー補給をする必要があります。何も食べずに練習することで、空腹感を感じやすく食欲がわくなどのメリットもありますが、エネルギー不足から集中力を欠き、肝臓などに蓄えられたグリコーゲンだけではなく、体脂肪や筋肉もエネルギーとして使われてしまうデメリットもあります。特に筋肉が減ることは競技力にも影響を及ぼします。どのタイミングで行うと、充実した練習や午前の活動ができるのか考えてみましょう。

2、朝練前はエネルギーに変わりやすい食品をセットで

朝練前に食べる補食は、エネルギー補給のために糖質中心のものが良いですね。ただし、胃腸の調子や好みもあるため、自分に合ったものをとるようにしてください。

例えば、バナナなどの消化の早い果物や果汁はいいですね。ゼリー飲料やスポーツドリンクなら朝練に向かいながら口にできるでしょう。慣れてきたら、おにぎりやパンと牛乳など固形物にステップアップしていきましょう。

3、朝食はしっかりと主食主菜をそろえて

朝練分のエネルギー補給を補食でしたなら、朝練のリカバリーと昼食までのエネルギー補給を目的に朝食をとりましょう。朝食でタンパク質を多くとった場合は筋肉が増えやすいという研究報告もありますので、炭水化物(ご飯やパン)とタンパク質源となる肉、魚、卵、大豆製品を組み合わせると、コンディションが整いやすくなります。

何を組み合わせたらいいのかと悩む方は、安定的にパターン化した主食と主菜を考えておくと、考える時間が短くなり「時短」になります。スムーズな朝を迎えられるように、前夜のうちにご飯のタイマーをかけ、料理の下準備をしておくと安心ですね。

今回のレシピは「アジのかば焼き梅ソース」です。食欲がない朝にも、梅の酸味が食欲をそそります。

自宅で3枚におろすのが面倒な方は、すでにおろしてあるアジを購入すれば、手間が省けます。フライパンで調理できるので、魚料理のバリエーションの1つに入れてみてくださいね。

女子アスリート/管理栄養士・上木明子