「夏、部活中に頭痛が起きる。栄養的に何が不足しているのか?」という質問をいただきました。
頭痛の原因は大きな病気が隠れていることもあるので、続くようでしたら医療機関を受診することをお勧めします。また、ストレス、ホルモンの乱れ、自律神経の乱れ、気圧の変化などが原因のこともあります。日常の食事の状態が分からないと、栄養的に何が不足しているかは分からないのですが、一般的には水分不足、ナトリウムや鉄などのミネラル不足が考えられます。
水分補給が足りているか練習前後の体重チェック
水分が足りているかどうかは練習前後の体重を測定し、体重差が2%以上である場合には足りていなかったと判断します。減少した体重のほとんどは水分だからです。
例えば、体重70kgの場合は70kg×0.02(2%)=1.4kgなので、練習後に1.4kg減っていたら水分補給が十分でなかったと考えます。練習前後の体重管理は通常していないかもしれませんが、機会があったら確認してみると良いと思います。練習中、練習直後の尿の色が濃い時も、水分不足のサインです。
長時間の運動時は水分とともにナトリウムも
発汗量は気温や温度などの環境と、運動持続時間により異なります。発汗した分だけ補給することが、水分補給のポイントとなります。まず、運動前(30分~1時間前)に250~500mlの水分補給をしておきます。運動中は1時間に500~1000mlを目安にこまめに摂ります。長時間の運動時は0.1~0.2%程度の塩分(ナトリウム量40~80mg)を含んでいるものを摂りましょう。
貧血のサインを見逃さない!!
血液中のヘモグロビンの材料となる鉄が不足すると、貧血になります。酸素運搬能力の低下により、持久力が低下し、疲れやすかったり、すぐに息が上がったり、頭痛として症状が出てくることがあります。鉄は吸収率が悪いので、日頃からこまめに摂ることと、吸収率を上げるためにタンパク質やビタミンCを一緒に摂りましょう。
写真は「鶏レバーの甘辛煮」です。レバーは鉄が多く含まれています。苦手な方は豚レバーより鶏レバーの方が食べやすいと思います。また、下処理をすることで、さらに食べやすくなると思います。
動物性の方が植物性の食品より鉄の吸収率が高いので、効率良く鉄を摂れますが、他の栄養素の摂り過ぎによる過剰症になることがあるので、目安としては月に1~2回、一度に50~60g(串なら1~2本)程度でよいでしょう。