私たちは体内で酸素を利用して、代謝をしています。代謝とは、摂取した食物などを体内で分解して栄養素とし、身体を合成したり、内臓や筋肉を動かしたりすることです。

 酸素は呼吸することで体内に取り込まれ、利用されますが、それによって「活性酸素」が発生します。本来、人間には「活性酸素」を有効に利用し、余剰分を消去する機能が備わっていますが、運動量の多いアスリートは、大量の酸素を取り込まなければなりません。酸素利用が高まることは、体内で大量の活性酸素を発生させることになり、本来の機能だけでは追いつかず、カラダを酸化させる(さびさせる!!)ことにつながってしまうのです。

 カラダをさびさせないためには、毎日の食事に、活性酸素の発生やその働きを抑制したり、活性酸素そのものを取り除いたりする抗酸化物を多く含むものを取り入れましょう。

緑黄色野菜からビタミンA・C・Eを

 抗酸化物質には、体内で合成される体内合成抗酸化物質のほか、食品に含まれる抗酸化ビタミン(ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE)があります。これらのビタミンは、酵素によって処理しきれない活性酸素の働きを抑える抗酸化物質の1つとして注目されています。

 ビタミンAは、レバー、ウナギ、銀ダラなどに多く含まれますが、脂溶性ビタミンなので摂り過ぎに注意しましょう。緑黄色野菜に含まれているβカロテンは、必要な時に必要な量を体内でビタミンAに変換するので、野菜からも摂ることをおすすめします。

 ビタミンCは、多くの野菜や果物に含まれています。水溶性ビタミンなので摂り過ぎを心配することはありませんが、一食で大量に摂るのではなく、毎食取り入れることがコツです。

 ビタミンEはイクラ、タラコ、ウナギなどの魚類、アーモンドや松の実などの種実類、モロヘイヤ、大根の葉、カボチャ、赤パプリカ、ホウレン草、小松菜などの緑黄色野菜に含まれています。緑黄色野菜はビタミンAもCもEも含まれているものが多いので、どんどん活用しましょう。

小松菜と油揚げのガーリック炒め
小松菜と油揚げのガーリック炒め

 写真は「小松菜と油揚げのガーリック炒め」です。小松菜は、アクが少なくそのまま使える緑黄色野菜で、お浸しや炒め物、汁物などに利用しやすい野菜です。ビタミンA・C・Eのほか、カルシウムや鉄も多く含まれているので、アスリートの食卓への登場回数をぜひ増やして欲しい野菜の1つです。

 油揚げはタンパク質、カルシウム、鉄、キクラゲはカルシウムの吸収を助けるビタミンDを多く含んでいます。