もうすぐ新学期、夏休み中のトレーニングや試合でケガをせず過ごすことができましたでしょうか?
前回のコラム(「骨折してしまったら…カルシウムだけじゃない、修復・再生に必要な栄養素」)でも伝えたように、日々のトレーニング・食事・睡眠の3本柱でケガをしにくいカラダ作りをしておくことが大切です。しかしながら、さまざまな要因から完全なる予防が難しいこともあります。
学校管理下の負傷の内訳としては、骨折と捻挫で半分以上を占めています。負傷した場合は、医療機関を受診し適切な処置を施すことが最優先ですが、今回は捻挫をしてしまった場合、少しでも早く治癒できるよう、カラダを再生するための材料となる食事についてお話をします。
バランスの良い食事にプラスして
まず、ケガをした場合は、種類にかかわらず、新しい細胞を作るための材料になる「タンパク質」と「ビタミンC」をしっかり摂ります。捻挫した場合は、腱やじん帯を強くするコラーゲンをたっぷり補給しますが、「タンパク質」と「ビタミンC」は体内でコラーゲン合成の材料にもなります。
「タンパク質」は、肉、魚、卵、大豆加工品、乳製品に多く含まれており、「ビタミンC」はキウイフルーツ、柿、イチゴ、柑橘類などの果物、パプリカ、ゴーヤー、モロヘイヤ、ブロッコリーなどの野菜、ジャガイモやサツマイモなどのイモ類などに多く含まれています。
ただし、それだけを食べればいいということではなく、バランスの良い食事の基本の形を崩さず、「タンパク質」と「ビタミンC」をしっかり意識するという意味です。
私たちのカラダは負傷したら、その部分を早く治そうという防衛反応が起こります。そのタイミングで必要な材料(栄養素)をカラダに入れることで、回復を早めることにつながるのです。
負傷してしまったことをマイナスにとらえずに、痛みのない部分を鍛えたり、弱点を補強する良いチャンスだと考え、ケガを克服するという強い意志で乗り越えて欲しいと思います。
写真は「鶏手羽元とサツマイモのレモン煮」です。鶏手羽元はタンパク質のほか、その代謝に関与するビタミンB6も多く含んでいます。
サツマイモやレンコンはビタミンCを多く含みます。ビタミンCは加熱すると壊れやすいビタミンですが、イモ類やレンコンに含まれるビタミンCはデンプンに守られ、加熱しても壊れにくいのが特徴です。また、一度の摂取量(重量)も多いので、効率良くビタミンCを摂ることができるのです。野菜や果物と合わせてビタミンCを摂るようにしましょう。