野菜はビタミン、ミネラル、食物繊維などを多く含み、バランスの良い食生活を送るためには欠かせないものです。親としては、我が子の苦手なものはなくしたい、好き嫌いなく何でも食べて欲しいと願うものですが、本人にとっては苦手な理由があるのです。
「苦手」にも理由がある
小学生くらいのうちは、食べることを強要すると、食べることが楽しくなくなったり、食事に興味を持たなくなったり、ひどい場合は大人になってもトラウマになってしまうこともあります。
なぜ苦手なのかを聞き、克服できるように料理に混ぜ込んだり、栄養素的に代替えできる野菜を利用したり、カレーなど味のしっかりした料理に使用してみましょう。また、一口でも食べられた時にはほめてあげ、成功体験を積んでいくようにするといいでしょう。
中・高校生になり、強くなりたい、大きなカラダを作りたいという本人の気持ちが出てきたら、なぜ必要なのか、 バランス良く食べる理由などを伝えていきます。その上で、どういう料理だったら食べられるかを聞き、自分で選択させます。自分で決めたことなら、きっとできますよね。
あるジュニアユースの選手の例
サッカークラブのあるジュニアユースの選手は、野菜のほとんどが苦手でした。なぜ苦手なのかを聞くと「グチャッとした食感が嫌い」と言うのです。なので、生野菜は食べられるとのこと。しかし、それだけで野菜の摂取目標量350gをクリアするのは難しいものです。
そこで、何の野菜なら食べられるか、どんな料理だったら食べられるかを聞いたところ、「チンジャオロースー」との答えが返ってきました。お母様にもシャキッと炒めていただくようお願いをして、“野菜克服の道”が始まりました。
今ではその選手は体組成も変わり、無事ユースへも上がり、さらにサッカーでの進学も決まり、自分の夢に向かって進んでいます。
元プロ野球投手の例
また、元プロ野球の投手だった方とお仕事をした時のご本人談です。その方も苦手なものが多く、でも食べた方が良いことは分かっていたので、お皿に9種類の苦手なものをのせ、どこに投げようか(何から食べようか)、インハイから行くか、ど真ん中からか、などと遊び感覚を交えて、苦手なものを克服していたそうです。
苦手な食べ物がある場合は、色々なアプローチで克服できるようになって欲しいと考えています。
余談ですが、作り手の苦手なものは食卓には上がらないものです。まずはお子さんが、食べず嫌いにならないようにすることも大切ですね。
写真は「牛もも肉と2色ピーマンのチンジャオロースー」です。牛もも肉は低脂肪高タンパク質でビタミンB6、B12、鉄、亜鉛などを含んでいます。
ピーマンに含まれているビタミンCは加熱にも強いと言われています。赤色のピーマンはビタミンCのほか、ビタミンEや葉酸も多く含まれています。野菜と肉を分けて炒めるとシャキッとした食感を残し、彩りもよく仕上がります。