疲労骨折は、オーバーユース、筋力不足やバランスが悪い、柔軟性が低いなどさまざまな要因がありますが、栄養面が原因のこともあります。

食事は、バランスの良い基本の形に整えた上で、カルシウムやビタミンDなどの骨代謝に関与する栄養素を摂取。さらに、エネルギー不足にならないようにすることが大切です。

エネルギー量はしっかり摂る

普通の日本人の食生活では、ビタミンDの不足はほとんどありませんが、日光を浴びない室内競技の選手は不足に注意する必要があります。ビタミンDは紫外線によって活性化し、腸管からのカルシウムとリンの吸収を促進する働きがあるからです。

成長期におけるエネルギー不足は骨の形成を損ね、低身長や骨密度の低下を招くことがあります。骨密度は女子は18~20歳、男子で20代前半でピークを迎えます。ピークを過ぎた後は骨密度を増やすことはできません。強くしなやかな骨を作るには、いかにピークを高くするかがカギとなります。

ピークが来るタイミングは、身長の伸びが緩やかになった後に来るとされています。身長が止まったと思っても、強くしなやかな骨を作るために栄養密度の濃い食事を摂り続けましょう。

特に減量する際は、正しくない減量法によって疲労骨折を引き起こすことが多々あります。減量時期も、バランスの良い基本の食事の形を整えることが大切です。

タンパク質源、ビタミンDも多いサケと副菜の付け合わせ「サケのムニエル フレッシュトマトソース添え」
タンパク質源、ビタミンDも多いサケと副菜の付け合わせ「サケのムニエル フレッシュトマトソース添え」

写真は「サケのムニエル フレッシュトマトソース添え」です。

サケはタンパク質源であり、ビタミンDも多く、抗酸化作用があるといわれるアスタキサンチンも含んでいます。付け合わせとして、副菜をしっかり摂れば、満足感もアップします。

減量中の選手もご飯を全く食べないということがないように、主食、乳製品、果物を合わせ、バランスを整えましょう。

管理栄養士・石村智子