「背を伸ばすためにはどのような食事をしたらよいでしょうか?」と、大変多くの機会で質問されます。身長は、両親から受け継いだ遺伝的な部分が多くを占めていますが、きょうだいによっても違い、その他の環境要因も関わってきます。
身長が急激に伸びる時期は2回、赤ちゃんの頃の第一次性徴と思春期の第二次性徴です。思春期の急激な身長の伸びは「成長スパート」と呼ばれていて、この時期にいかに伸ばすかがカギとなります。
しかし、成長スパートの開始年齢には個人差があり、気が付かないまま過ぎてしまうということもあります。いつ「成長スパート」が来ても良いように、環境要因の1つである「食事」を日頃から整えておくことが大切になります。
カルシウムだけでは伸びない
骨は繊維状のタンパク質(コラーゲン)が骨格となり、その繊維の間にカルシウムが吸着してできています。まず骨格の部分をしっかり作っていかないと強い骨作りをすることができません。
カルシウムの吸収をサポートするマグネシウム・鉄・亜鉛・リンなどのミネラル類、ビタミンD・K・Cなどのビタミン類も関わってきます。ビタミンCや鉄はコラーゲンの合成にも必要です。
日頃から食事の基本の形に整えることにより、様々な栄養素を摂ることにつながります。その上で、タンパク質とカルシウムを意識的に摂って行きましょう。
魚の缶詰を上手に利用して
牛乳やヨーグルトは良質なタンパク質源でもあり、吸収されやすいカルシウムも豊富に含まれています。その他、骨ごと食べられるジャコや桜エビなどの小魚類や魚の缶詰、豆腐や納豆、豆乳などの大豆加工品なども取り入れると良いでしょう。
魚の缶詰は、味付けされたものは塩分が多いので、サバの水煮缶など塩分量の少ないものを選ぶことをおすすめします。サバの水煮缶は、タンパク質源となり、とれたての新鮮なうちに真空調理されるので、EPAやDHAなど酸化されやすい脂も酸化しにくく、骨ごと食べられるのでカルシウムも豊富に含まれています。また、カルシウムの吸収率をあげるビタミンDも含まれています。
食事のほか、睡眠時間の確保も大切な環境要因の1つとなります。夏休みをどう過ごすかでその先が変わってきます。十分な睡眠をとり、食事を整える機会を生かしていきましょう。
写真は、「サバ缶と夏野菜のブルスケッタ」です。ストックできるサバ缶と冷蔵庫にある野菜を使用して、朝食や昼食のほか、おやつにもお試しください。