女子アスリートの場合、女性特有の心身の変化がコンディションに影響することがあるので、それを理解し、予防することが大切です。一般的に次のようなことが起こりやすいと言えます。

(1)月経が始まった女子は貧血になりやすい
(2)無理な減量等で摂食障害が起こりやすい
(3)女性ホルモンのバランスが乱れ、月経障害が起こりやすい
(4)環境やプレッシャーなどでメンタル面に影響が出やすい

「基本の食事の形」を整えた上でプラスしたいこと

性別問わず、アスリートの食事は「基本の食事の形」に整えていくことが大前提となりますが、女子アスリートはさらに、次のようなことに注意しましょう。

(1)赤身の肉や魚、貝類、小松菜やホウレン草などの青菜、豆腐や納豆などの大豆加工など、海藻類など鉄を多く食品を意識的に摂ることと、鉄の吸収を高めるビタミンCを摂る。

(2)過度な減量により、拒食症や過食症などの摂食障害を起こすケースが多いため、減量する場合は、体重だけではなく、体脂肪率も継続的に測定し、体脂肪率が12%以下にならないよう注意する。

(3)月経異常の原因は、激しいトレーニングの継続、栄養バランスの悪さ、過度の減量、メンタル面など様々ですが、放置しないことが重要。骨密度が低下し、疲労骨折の原因にもなることを知っておく。

(4)指導者や保護者の言動などが大きなストレスになるということを知ることと、選手の様子を日頃から見守ることが大切。

日頃のケアで楽しく、長くスポーツが続けられるようサポートしていきましょう。

写真は「レンコン鶏つくね」です。レンコンはビタミンCを多く含み、デンプンに守られ、加熱しても壊れにくいのが特徴です。量を摂りやすいのでビタミンCの摂取量もしっかり摂ることができます。 また、しっかり噛んで食べる必要があるので、減量を目的とする場合も、満足感を得ることができるでしょう。

つくねに使用するひき肉を鶏もも肉とむね肉を半々、またはむね肉のみにすると低脂肪となり、摂取カロリーを抑えることができます。お弁当にもおすすめです。

管理栄養士・石村智子