厚生労働省が提唱する 1日の野菜摂取目標量は350g以上ですが、実はどの年代でも不足しているのが現状です。国民栄養調査では「約70g不足している」と伝えています。
約70g。個体差はありますが、だいたい「サラダ1皿分」「お浸し小鉢1つ分」「具だくさんみそ汁1杯分」というイメージを持つと分かりやすいと思います。
中食の場合、サラダ1皿分をプラス
この不足分をどう補うか、考えてみましょう。
総菜やお弁当を購入、デリバリーを利用して家で食べる中食の場合、まずは選んだメニューが基本の食事の形に整えられるかをチェック。副菜が足りないようなら、サラダやお浸しなどの副菜メニューを1人当たり1パック分増やしましょう。
作るなら具だくさん汁物、常備菜を
家で材料から作る場合は、次のような方法があります。
●具だくさんのみそ汁やスープを献立に加える
●ホウレン草やプロッコリーなどの冷凍野菜やトマト缶などをストックしておき、野菜が少ない時に簡単にプラスできるようにしておく
●きんぴらゴボウや切り干し大根煮など日持ちする常備菜を作っておく
カレーなどの主食や主菜に野菜を入れ込む
また、主食に野菜を入れ込んでしまえば、副菜を1品分作る手間が省けます。例えば、カレーにはタマネギ、ニンジン、ジャガイモがよく使われますが、カボチャ、ナス、ズッキーニ、パプリカ、ピーマン、トマト、下ゆでしたホウレン草など冷蔵庫にある野菜をプラスすれば、軽く約70gをクリアし、冷蔵庫整理もできてしまいます。
豚のショウガ焼きなどの主菜にも、タマネギやピーマンなどをプラス。豚肉に含まれるビタミンB1の吸収率を上げるアリシンがタマネギに含まれているので一石二鳥ですね。
写真は、「カラフルパプリカとエビのチリソース」です。1日の野菜摂取目標量、350gの約1/3の120gは緑黄色野菜で摂ると良いと言われているため、通常のエビのチリソースで使われる香味野菜に、緑黄色野菜のパプリカやピーマンをプラスしてアスリート風に仕上げました。
あくまでも目安になりますが、このパプリカ赤・黄各17gとピーマン1個34gで約70g。ちょっとした工夫で「不足分」を補えます。
アスリートは抗酸化成分を多めにとる
パプリカやピーマンには、抗酸化作用があるビタミンA(βカロテン)・C・Eが含まれています。エビはタンパク質やビタミンEを多く含み、赤い成分のアスタキサンチンも高い抗酸化作用があると言われています。
「エビ+パプリカ」の組み合わせは抗酸化作用の相乗効果となります。筋肉の損傷は、物理的な負荷のほか、活性酸素による酸化ストレスも大きな要因となるため、抗酸化作用のある食材を日頃から摂取しましょう。