「スポーツ貧血」という言葉があるくらい、激しい運動をするアスリートは一般の方よりも貧血になりやすいものです。貧血はパフォーマンス低下の原因にもなり、鉄欠乏性貧血になると、完全に回復するのに3~6カ月もかかると言われています。

めまいやふらつきなどの症状が出ていなくても、息切れ、動悸、疲れやすい、慢性的にだるい、後半バテる、持久力が落ちたということがあれば、貧血のサインです。見逃さないようにしましょう。  

貧血予防の食事のポイント

十分なエネルギー摂取
主要なエネルギー源である糖質(炭水化物)が不足すると、運動のためのエネルギーだけではなく、基礎代謝と呼ばれる生命維持のためのエネルギーも不足します。すると体は生きるために、体タンパク質を分解してエネルギーに換えます。当然、筋肉量が減り、ヘモグロビン合成のためのタンパク質も不足。つまり、ヘモグロビンの材料である「鉄」が体内にあっても、ヘモグロビンを作ることができなくなるのです。

ヘモグロビンの材料となる「鉄」の摂取
「鉄」は動物性食品に含まれるヘム鉄と植物性食品に含まれる非ヘム鉄がありますが、非ヘム鉄は吸収率が悪いので、ビタミンCと一緒に摂って吸収率を高めるのがベターです。基本の食事の形を整えていけば、ビタミンCも無理なくしっかり摂れると思います。

鉄を多く含む食品は、レバー、赤身肉、マグロやカツオなどの赤身魚、イワシの丸干し、アサリ・シジミ・ハマグリ・赤貝などの貝類、豆腐・納豆・厚揚げ・がんもどきなどの大豆加工品、小松菜、ホウレン草、ソラ豆、グリーンピースなどがあります。様々な食品から摂るようにしましょう。

写真は「アサリとグリーンピースの炊き込みご飯」です。エネルギー源となる糖質(炭水化物)を多く含む主食をしっかり摂れるよう、また、動物性(アサリ)、植物性(油揚げ)、野菜類(グリンピース)の鉄を多く含む食品を使用しました。

アサリやグリーンピースは今が旬でもあるので、ぜひお試しください。

管理栄養士・石村智子