夏バテしないためには「基本の食事の形」に整えた食事を継続することが大前提ですが、暑い季節は自律神経が乱れやすく、冷たい物の飲み過ぎなどで胃腸が疲れると、食欲も落ちやすくなります。食欲がないからといって食べずに栄養のバランスが崩れると、「疲れが取れない」→「より食欲が落ちる」→「さらに疲れがたまる」といった負のスパイラルに陥り、体調を戻すのに長く時間がかかってしまいます。

夏バテを予防するにはまず、次の3点を押さえましょう。

(1)毎日の食事を整える
(2)睡眠時間の確保
(3)シャワーだけで済ませず湯船につかる

それでも食欲が落ち気味の時は、量より質で「基本の食事の形」に整える、一度にしっかり食べられない時は補食を活用する、食欲を増進しやすいようなメニューを選ぶと良いでしょう。

例えば、コース料理で最初に出される前菜には、食欲を増進させる役割があります。これから食事がたくさん入って来るよと胃腸に準備をさせるものなのでしょう。

アスリートフードの場合も、食欲がないときに無理矢理食べるのではなく、最初にスープやスムージー(参考レシピ「パワーアップスムージー」)を摂ると、これが“前菜”のような働きをして食欲回復につながることもあります。

写真は「カボチャと甘酒の冷製スープ」です。

カボチャは、ビタミンA・C・E、葉酸などを含む緑黄色野菜で、炭水化物も多く含むのでエネルギー源にもなります。甘酒はビタミンB1・B2・B6など代謝に関わるビタミン類、腸内環境を整えるオリゴ糖や食物繊維、必須アミノ酸やブドウ糖など多くの栄養素が含まれ、「飲む点滴」とも言われています。

耐熱ボウル1つに材料を入れて、電子レンジで作る火を使わないレシピです。ぜひお試しください。

管理栄養士・石村智子