野菜はビタミン、ミネラル、食物繊維を多く含んでいます。ビタミンは、糖質、脂質、タンパク質の3大栄養素の代謝に関わり、体内でエネルギーを作り出したり、細胞を生まれ変わらせたりするために欠かせない栄養素です。ミネラルは身体機能の維持、調整に不可欠で、食物繊維は便通を整え、善玉菌のエサとなって腸内環境を良くしてくれます。

香り、苦味、色素に含まれる抗酸化成分

さらに野菜の特徴として、様々な「色」があります。香り、辛味、苦味や色素に含まれる「フィトケミカル(ファイトケミカル)」という成分は、野菜が紫外線や害虫から身を守るために作り出しているものですが、私たちが食べることで人のカラダにも良い影響があるのではないかと研究されています。抗酸化作用を持つため、カラダの免疫力を高め、病気の予防などに役立つのではないかと期待されています。

下記は野菜に含まれているフィトケミカルの例です。色々な種類のカラフル野菜を摂ることは料理の彩りが良くなり、食欲増進につながるだけではなく、様々な栄養素やフィトケミカルを摂れることになります。

野菜に含まれるフィトケミカルの例

フィトケミカル 多く含む食品
クロロフィル ホウレン草、ピーマン、小松菜、モロヘイヤなど
リコピン トマト、スイカなど
カプサイシン 唐辛子、パプリカなど
オレンジ βカロテン ニンジン、カボチャなど
フラボノイド 大豆、タマネギ、トウモロコシなど
アントシアニン 赤キャベツ、ナス、赤シソ、サツマイモ、黒豆など
イソフラボン 大豆、ひよこ豆など

写真は「ナスとピーマンと油揚げの煮浸し」です。

ピーマンはβカロテンも多く含み、熱に強く、油と摂ると吸収率が上がります。クロロフィルは熱に弱いので、サッと火を通しましょう。ナスに含まれているアントシアニンは加熱にも強いのが特徴です。

管理栄養士、石村智子