腰から脚にかけての筋肉をきたえるスロージョギング
自分のペースでゆっくり走る「ジョギング」や、大会でできるだけ速く走る「ランニング」は、ウォーキングと並んで多くの人に親しまれている有酸素運動です。
しかし、これまであまり運動をしてこなかった人や走ることが苦手な人にとって、いきなりジョギング、ましてやランニングはハードルが高く感じられるでしょう。
そこでおすすめしたいのが、スロージョギングです。
その方法は、とても簡単。上図のように、姿勢をまっすぐにしてつま先立ちをします。その場で小刻みに足踏みをしてから、そのまま歩幅20~30㎝で前進していく、それだけです。
ジョギングはかかとから着地しますが、スロージョギングは足の指の付け根から着地するのがポイントで、そのために、脚の関節や腰への負担が軽減されます。
腕を大きく振る必要はなく、歩く速度とほとんど変わらない、自分にとってもっとも楽なペースでかまいません。これなら、長く続けられそうです。
約1時間、4~5㎞の距離を同じペースでスロージョギングを続けると、ウォーキングに比べて1・6倍のエネルギーを消費できます。
また、はじめは50mずつウォーキングとスロージョギングを交互に行うといったように同じペースで続けなくても、ウォーキングだけのときより約1・5倍のエネルギーを消費できるので、ダイエットにも役立ちます(坂本静男編著『メタボリックシンドロームに効果的な運動・スポーツ』ナップ)。
もちろん、スロージョギングでも、直立姿勢を保つための抗重力筋のほか、ウォーキングと同じように、腰から脚にかけての多くの筋肉群の活動レベルを高めてくれます。
スロージョギングといえども、より安全に楽しむ配慮が必要です。1回の距離は4~5㎞以内におさえ、自分の体力に合ったペースをキープ。食事の直後や空腹時は避け、水分補給は十分に行います。ひざへの衝撃をやわらげるため、クッション性の高いシューズを着用しましょう(スロージョギングは、日本スロージョギング協会の登録商標です)。
(つづく)
※「体力の正体は筋肉」(樋口満、集英社新書)より抜粋