管理栄養士・尾澤真紀さんのいるジュニア栄養相談室には毎日、ジュニアアスリートが食事や栄養について質問や疑問を持って訪れます。今日来たのは、サッカー部に所属する高校2年生の男子、ジュンくんです。

昨年、猛暑で夏バテして食事量とともに体重が減り、思うようにいかない夏を過ごしたので、「同じことを繰り返したくない」と、早くも夏に向けた食事の相談に来てくれました。相談室ではまず、身長・体重を計測します。

ジュンくんの身体データ
17歳男子、身長170cm、体重67kg、体脂肪率12%、種目系別身体活動レベルPAL2.00(球技系)、1日のエネルギー消費量3408.6kcal

※皆さんもまずは自分のエネルギー消費量を計算してみましょう。今回は、除脂肪体重から推定する国立スポーツ科学センター(JISS)方式で計算しましょう。詳細はコチラのページへ

体重が落ちる暑さ以外の要因とは

ジュンくん インターハイ予選(県大会)はベスト4で負けてしまったので、夏休みは“地獄の鬼合宿”決定です。

尾澤 速報で結果を見てたよ。最後はPKで残念だったね。リーグ戦や冬の選手権へ切り替えて“地獄の鬼合宿”を頑張ろう!

ジュンくん 長いようであっという間ですからね。この夏が勝負なんですけど、去年は体重がだいぶ落ちちゃって思うようにいかなかったんで、今年はしっかり夏バテ対策をしたいです。

吉田トレーナー ジュンくんは去年の夏、2kgくらい体重が落ちてたよね。去年の体組成記録のグラフを見てみて(体組成データを見せる)。

ジュンくん この時はきつかった~。疲れが抜けなくて、回復させたいのに食事が進まなかったな…。

尾澤 暑さで内臓も疲れていたのかもね。暑さも原因だけど、キンキンに冷えた飲み物や食べ物でも内臓が疲れるんだよ。そういうことはあった?

ジュンくん 夏は基本、飲み物はキンキンに冷えたものを飲みますし、アイスも食べます。ツルっと食べられるそうめんも氷で冷やして食べますね。

尾澤 内臓は冷やすと、消化吸収機能が落ちるんだよ。夏場はエネルギーの消耗も激しいからしっかり食べないといけないんだけど、消化機能が落ちると必要なエネルギーや栄養素を取り入れられないよね。

ジュンくん そうなんですね。去年、食事がとれていなかったのは自覚してるんですけど、体重が減ったりコンディションが落ちたりする原因に「消化能力」もあるんですね。ところで、夏におすすめの料理はありますか。

夏におすすめ食欲を刺激する食品

尾澤 ここ数年は猛暑で、気をつけていても食欲が落ちやすい。そういうときは食欲を刺激するものを取り入れるのがおすすめだよ。

例えば…
コチュジャンやトウバンジャン、カレーなどの香辛料を活用する
ゴマ油やラー油を垂らしてアクセントを加える
オイスターソースや甘辛のたれなどでしっかりした味付けにする
生姜や大葉、みょうがなど薬味を添える

食欲を刺激する食品
食欲を刺激する食品

尾澤 アスリート寮の食事メニューを調整する中で、夏でもしっかり食べて活躍して欲しいから、ピリ辛のメニューやご飯がすすむ味付けを意識するね。胃液の分泌が促されるから食欲が落ちていてもスイッチが入るんだ。

ジュンくん 確かに食欲そそられますね!!

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