前回のコラムでは、競泳の試合当日のお弁当事情(「手軽に食べやすく、試合前に摂りたいお弁当のおかず」)をお話ししました。今回はその続きです。

 お弁当の定番といえば、おにぎりです。持ち運びが便利で、手軽に食べられることがその理由です。前回は、おかずを食べずにおにぎりだけ食べていると、レースで使うエネルギーを作りにくくなると話しましたが、実際には、試合でおにぎりしか食べられないジュニア選手もいます。そんな選手のために「1日のレースを意識したおにぎり」を考えました。

パワー全開ラップおにぎり
パワー全開ラップおにぎり

 今回紹介する「パワー全開!ラップおにぎり」は

アップ後、レースに向けての身体の維持
レース前のエネルギー作り
レース後のリカバリー

を考えた3種類のおにぎりです。

 1つめは「じゃこと梅干し」。じゃこは糖質(白飯)からエネルギーを作るビタミンB1が豊富。また、脳神経に働きかけるナイアシンで、気持ちをレースへ集中させます。梅干しはカリウムをたくさん含み、じゃこに含まれるカルシウムと一緒に筋肉の動きをスムーズにします。

 2つめは「タラコと大根の葉」。タラコもビタミンB1をふんだんに含みます。緑鮮やかな大根の葉は、目で食べやすいことのほか、抗酸化作用のあるビタミンCがあるため、レース前のストレスを軽減します。

 3つめは「サバとゴマ」。レース後のリカバリーのために必要な糖質(白飯)とタンパク質(サバ)を一緒に摂れるおにぎりです。サバには、タンパク質を身体の修復のために使えるようにするビタミンB6も含まれます。ゴマは、レースで使った神経を安定した状態にするカルシウムが含まれます。しかし、そのまま食べると消化に時間がかかるため、擦って調理します。

 たかがおにぎり、されどおにぎり。1日の試合を考えたおにぎりでパワー全開、ベストタイムでレースに勝利しましょう。