育ち盛りには、成長に応じて適切量をしっかり摂りたいタンパク質。特に主菜に含まれますが、魚は量を摂りづらく、子どもが苦手な食材の1つでもあります。

 「苦手だから」「食べないから」と安易にプロテインのようなサプリメントを使用してしまう前に1つ確認していただきたいことがあります。それは、

 子どもが全ての魚や魚料理がダメ、というわけではありません。

 (社)大日本水産会が行った調査では、魚が嫌いな理由として「骨があるから」「食べるのが面倒」「食べるのに時間がかかる」「においが嫌い」が挙げられました。「魚を食べられないからプロテイン」という発想ではなく、この嫌いな理由をクリアするメニューがあればよいわけです。これは学校給食にヒントがありました。

 給食の中で子どもたちの好きな魚メニューがあります。「南蛮漬け」です。

 南蛮漬けはシシャモ、アジ、イワシなど、さまざまな魚で作ることができます。また野菜も多く食べられ、野菜・魚嫌いなお子さんにはうってつけのメニューです。しかし、揚げた物をタレに浸けるため、エネルギー量は高くなります。魚は食べさせられるけど、そこはちょっと気になりますね。

アジの焼き南蛮漬け
アジの焼き南蛮漬け

 ということで、今回は揚げない南蛮漬け「アジの焼き南蛮漬け」を紹介します。アジをカリっと香ばしく焼き上げることで、子どもに好かれる食感に仕上がります。揚げた物と焼いた物では風味もかなり異なります。子どもは味覚が鋭く、この違いで食の進み方も変わります。

 また今回は、アジの下処理がレシピに入っています。3枚おろしを買ってきても良いのですが、食育として、アジを下処理して1尾の魚がどう料理になるのか、その工程をぜひ、子どもに見せていただきたいと思います。