私は普段から、「ジュニア選手はそれだけでエネルギー不足、微量栄養素=ビタミン・ミネラル不足を疑え」という観点でサポートをしています。

 どのスポーツでも、ジュニア選手は身長、体重、骨が著しく成長する時期に、練習量が急激に増える傾向にあります。大人の選手は、練習量に対して食事量を調節しますが、ジュニア選手の食事は「成長」と「スポーツ」の2つを押さえる必要があります。どちらか1つでも欠ければ、両方ともマイナスに作用するからです。

「補完食」って?

 ここでお子さんの乳児期、特に離乳食の時を思い出してください。用意したものを全部食べるお子さんもいれば、食べられないお子さんもいたと思います。その時、どんな工夫をしてお子さんに食べさせていたでしょうか。

 WHO(世界保健機関)では2009年、世界の乳幼児のための栄養について離乳食以外に「補完食」という言葉を使っています。「補完食」とは、月齢6カ月~23カ月の子どもに「母乳やミルクで不足したエネルギー・栄養素を補うために摂るもの」としています。

 この考え方をジュニア選手に当てはめると、皆さんご存知の「補食」になります。ジュニア選手の食事のヒントは、ご家族がこれまで行ってきた子育てにあるのです。

ジュニア選手のエネルギー補給に補食でも「スタミナ満点!豚肉のドリア」
ジュニア選手のエネルギー補給に補食でも「スタミナ満点!豚肉のドリア」

 今日紹介するのは「スタミナ満点!豚肉のドリア」です。スポーツ選手がエネルギー生成やタンパク質を利用する際に不足しがちなビタミンB群に着目。主食でも、エネルギー量をさらに摂りやすくしたドリアです。

 牛乳コップ1杯(200ml)と比較すると、カルシウムは8割弱ですが、成長に必要な亜鉛は3.6倍、鉄も含まれています。カルシウムは泳ぐスピードに関与するので、足りない分は小松菜、モロヘイヤなどの青菜で補うと良いですね。

 普段の食事で提供するのはもちろんですが、量を調節して補食としてもぜひご活用ください。

管理栄養士・松田幸子