春はすぐそこ。体の動きが変わってくる時期です。

それ以外に変わってくるものがあります。それは基礎代謝量。簡単に言うと、体も心も安静な状態な時に、生きるために必要な最小限のエネルギー代謝量です。これは選手だけではなく、皆さん同じように変化します。

基礎代謝量は1月に高く、徐々に下がって8月に最低値を示します。これは外気温に左右されず、体温を一定に保つためです。

3月はまだ基礎代謝量が高く、少しずつ外気温が高くなる時期。つまり、体が動きやすく、エネルギー消費量も高くなりやすいのが「今」。体脂肪量が多くなったと思う選手は、この時期を逃すともったいないですね。

食べ方・食材選びでコントロール

特に高校生アスリートは、体重ばかりに目を向けてはいけません。「体脂肪量、体脂肪率がどのくらいだと、泳ぎやすいのか?」に注目する必要があります。

実際の練習で「浮いている感じがする」「スカッと抜ける」という時は体重ではなく、体脂肪量が多いことがあります。しかし、練習量と同様の食事摂取量を維持しないと、筋肉まで一緒に少なくなってしまいます。「食べる量だけで考えず、食べ方・食材の選び方でコントロールする」必要があります。

今回はこの季節にふさわしい、簡単にできる体脂肪ダウンの副菜「3色あえ」を紹介します。食事量を減らすと、カルシウム・鉄の摂取量が激減することが多々ありますが、これを副菜でカバー。菜の花の緑、卵の黄色、エビのピンクでひな祭りの菱餅の色合いに仕上げました。まさに、ひな祭りの立派な「アスリート行事食」です。

日本は春夏秋冬があります。日本の行事を取り入れた「アスリート食」は東京2020がある今年、子どもたちが海外の方と話すきっかけになるかもしれません。

管理栄養士・松田幸子