今年開催予定だった東京オリンピックに向けて、日本では数年前から暑熱対策研究が行われていました。この研究のポイントの1つは「体温を上げすぎない」こと。それだけ体温は、パフォーマンスに直結するということです。これは競泳にも当てはまります。

競泳の大会では、選手のレース時間によって会場入りする時間が異なりますね。さらに、サブプールのある、なしによっても変わってくるでしょう。

サブプールがない場合、ウオーミングアップのため、多くの選手が開場時間に間に合うように移動します。レースが午後にある選手も早朝からウオーミングアップし、その後、会場で時間を過ごします。

待機所が暑すぎてダレる

夏場ではそんな状況の下、ウオーミングアップで調子を上げた体が「待機所が暑すぎてダレる」ことはありませんか?

かつて現場で起きた事例です。私が現地入りした会場で屋内プールの空調が壊れ、他チームの選手が暑さでコンディションを崩し、レースで散々な結果になったのを目にしました。

夏場は、これが誰にでも起こりうるのです。そうなった時にはレース時間を見て、一度体を適正な状態に冷やす必要が出てきます。また、冬場と夏場ではウオーミングアップの方法も変える必要があります。もちろん、その後の会場での過ごし方も考えなければなりません。

今回紹介するのは「つるっとうどんでエネルギー補給弁当」です。夏場の試合会場で「エネルギー補給」「ダレた体の体温を正常化する」ために使いたいレシピです。

青ジソと梅干しで腐敗防止。うどんの糖質を梅干しのクエン酸で、レースへのエネルギーにしやすくします。すりゴマのカルシウムはレースへの緊張を緩和します。

また、めんつゆを凍らせることで体温を調節しやすくし、大荷物を少しでも減らせます。お弁当箱は溶けためんつゆがこぼれないものにしましょう。

今年は暑熱順化が出来ない状態でのレースです。いつも以上に注意して、アップからレースの時間を過ごしてください。

管理栄養士・松田幸子