皆さん、「貧血」を甘く見すぎていませんか? アスリートだから、女性だから、親も貧血だから、昔から貧血だからしょうがない…という声をよく耳にします。貧血の状態を放置すると、深刻な病気を引き起こす可能性があるのです。
貧血とは、からだの酸素不足
貧血には、鉄欠乏性貧血、溶血性貧血などがありますが、ここでは主に鉄欠乏性貧血の話をします。
鉄欠乏性貧血とは、簡単にいうと、全身の細胞に酸素を運ぶヘモグロビンという物質が不足している状態です。なぜ、貧血が良くないかというと、酸素が全身の細胞に運ばれないからです。
走るためには酸素が必要、もっと言うと、生きるためには酸素が必要です。
では、酸素が体の隅々、末梢(まっしょう)まで行き届かないと、どういう症状が起こるのでしょうか。最初は、冷えやむくみ、立ちくらみや頭痛などが起こります。
そのままスポーツを行うと
- 走っているうちに段々足がだるくなり、上がりにくくなる。
- 休養をとっても足の疲労が取れにくい。
- 1試合、1レースも体力がもたない。
- そもそも走ると気分が悪くなる。
- ウオーミングアップだけでバテる。
- 無理して練習すると、めまいがする。
- ここぞという時にスピード、パワーが出ない。
といったことが起こります。
ちなみに、がん細胞は、低酸素環境でできると知られています。細胞に、酸素が行き届かない状態が長年続くと、がんになりやすくなるかもしれません。
鉄+タンパク質+ビタミンC 貧血改善で記録アップ
体の危険性を考えても、パフォーマンス向上を考えても、トレーニングよりも先に、貧血を改善した方が記録や成績が伸びる可能性が高いと言えます。食生活の見直しも大切です。
まずは鉄分、そしてタンパク質。鉄は吸収率が低いので、ビタミンCと一緒にとるのが効果的です。
今回は、貧血改善のためのレシピ、鉄分+タンパク質+ビタミンCがセットになった 「牛肉の彩り肉巻き ジンジャーソース」 を紹介します。牛肉のタンパク質と鉄分、ピーマンとパプリカのビタミンCをプラスした1品で、ショウガのソースでさっぱりいただけます。肉は、鉄分を含む赤身の多いものを選びましょう(脂身には鉄分もタンパク質も含まれていません)。
食事だけで改善が進まない、すでにひどい貧血の方は、サプリメントを使うのも一つの手です。飲むタイミングや種類などいろいろなものがあるので、自分に合ったものを見つけてください。目安としては、飲んで気持ち悪くなるものは避け、1カ月飲み続けても血液の数値が改善しないものは、変えた方が良いでしょう。