<パフォーマンスアップのための食品の選び方、商品の見極め方(3)>

 野菜は無農薬、肉や魚も質のいいものを…とこだわるのは大切ですが、その前に、味付けの基盤となる調味料にこだわることから始めるのはいかがでしょうか。

余計なものが入っていないか自分の目で確かめる

 調味料の見極め方として、ポイントは2つあります。
①原材料を知る
②添加物をチェックする

 つまり、余計なものが入っていないか見極めるということです。それでは詳しく説明していきましょう。

①原材料を知る
 原材料を知らなければ、何が余計なものなのかが分かりません。例えば、味噌は大豆、米、塩、醤油は大豆、小麦、塩、酢は米酢なら米のみ、果実酢ならその果物のみで作ることができます。このほか、だし類やタレ類などは、商品同士を比較して、片方の商品に入っていないものがあれば、それがなくても作ることができる、ということになります。

②添加物をチェック
 「添加」されている物すべてが体に悪い、ということではありませんが、極力余計なものが入っていないものの方が体への負担が減り、調味料本来の効果を取り入れられます。 特に、「◯◯無添加」という表示には注意が必要です。「着色料・保存料無添加」という場合には、アミノ酸等の化学調味料が添加されていたり、「化学調味料無添加」という場合には、酵母エキスやたん白加水分解物が入っていたりします。これらは化学調味料に分類されてはいないものの、うま味を出すために人工的に作られた調味料です。

 また「食塩」「砂糖」などを使わなくても作れるけれど、味付けしておいしく感じるようにしてあるよ、という食品もあります(だし、めんつゆ、タレなど)。「無添加」という言葉に、油断は禁物。原材料表示に注意し、自分の目で確かめてみましょう。

「うま味調味料」は化学調味料

 「うま味調味料」という言葉をよく耳にするのではないでしょうか。これは、化学調味料のことです。化学、という言葉がなんとなく悪いイメージを与えるためか、うま味調味料と言い換えられるようになりましたが、言葉が変わっただけで、成分も作り方も同じものです。食品の原材料表示では、「調味料(アミノ酸等)」と書かれています。

 市販の顆粒だしやコンソメなども、主な成分は食塩とうま味調味料(化学調味料)です。いまやこれらを全く使わない方は少ないかもしれません。

 最も一般的なうま味調味料(化学調味料)の成分は、グルタミン酸ナトリウムという物質。発酵によって生成したグルタミン酸に水酸化ナトリウムを化合させるという、人工的な方法で作られます。

 グルタミン酸ナトリウムは元々、さまざまな食材に含まれている成分で、これ自体が体に害を及ぼすわけではありませんが、過剰摂取により肥満を引き起こす、目の病気が起こりやすくなる可能性がある、などといった研究結果があります。摂りすぎはよくない、というのが現段階での共通認識です。

 うま味調味料(化学調味料)は便利で手軽ですが、カツオや昆布、煮干やシイタケなど、天然の「うま味」をできるだけ利用したいものです。

切り身で簡単!アクアパッツァ
切り身で簡単!アクアパッツァ

 今回は、余計な調味料を使わないレシピ「切り身で簡単!アクアパッツァ」をご紹介します。食材の味を生かし、フライパン1つ、包丁もほぼ使わないという簡単なものなのに手が込んで見える料理です。乾燥ハーブなど、ご家庭にあるものを一緒にいれると、よりおいしく、オシャレになります。

 ここで使うアサリの砂抜きについても、説明しておきます。ボウルにアサリを入れ、水250ccに塩大さじ2分の1を混ぜて溶かしたものを、アサリの半分の高さまでいれ(ひたひたまでいれるとうまく砂を吐かない時があります)、新聞紙などをかぶせて暗いところに3時間ほど置いておく。新聞紙をとって明るくし、アサリが首をひっこめたら成功です。

 どうしても、アサリの砂抜きが面倒ですぐ食べたい!という方は、アサリに比べて味、見た目とも多少劣りますが、代わりにキノコを使うのはどうでしょう。キノコは加熱すると、かなりうま味が出るので、シメジやエリンギ、マッシュルームなどをお好みで加えてください。作り方は変わりません。