タンパク質がとれる食品は、動物性と植物性の大きく2つに分けられます。動物性は肉・魚・卵・乳製品。植物性が大豆・大豆製品(豆腐、納豆、凍り豆腐、おから、豆乳など)です。

 動物性、植物性と両方を食事に組み込むことが大切です。食品によって含まれるアミノ酸の種類や量が異なるためです。

 タンパク質を形成している20種のアミノ酸のうち、体内では合成することができず、食べ物から摂取しなければならないアミノ酸は9種あり、これを「必須アミノ酸」と言います。どれか1つ欠けてしまっても筋肉、血液、骨などの合成ができません。

 必須アミノ酸の種類と役割を簡単に説明していきます。

トリプトファン
 精神安定作用のある神経伝達物質「セロトニン」の元になる。成長ホルモンの分泌を刺激する。

ロイシン
 エネルギー源になり、筋肉のタンパク質の分解を抑える助けになる。

リジン
 筋肉の形成に影響しており、骨の発育を助ける。ウイルスの働きを抑制する。

バリン
 肝臓で処理されず、筋肉に積極的に取り込まれて直接エネルギー源になる。

スレオニン
 肝臓への脂肪の蓄積を予防する作用を助ける働きをする。

フェニルアラニン
 記憶力や注意力、気分を向上させる。食欲を抑える働きをする。

メチオニン
 肝臓から毒性のある老廃物を取り去って、肝臓や腎臓の働きを助ける。

イソロイシン
 エネルギー源になり、筋肉の消耗を防いで皮膚の回復を促進する。

ヒスチジン
 赤血球、白血球の形成に欠かせないもの。貧血やアレルギー疾患、消化器系の潰瘍を改善する。

 これらすべてをとっていくことが重要ですが、食品にどれだけこれらが含まれているかを示した指標に、「プロテインスコア」と「アミノ酸スコア」と呼ばれるものがあります。

 アミノ酸スコアの方が新しい指標ですが、プロテインスコアの方が評価が厳しく実用的という意見もあります。数字の高い方がタンパク質として質がいい印です。

・鶏卵(ア=100、プ=100)
・アジ(ア=100、プ=89)
・牛肉(ア=100、プ=80)
・牛乳(ア=100、プ=74)
・大豆(ア=100、プ=56)
※ア=アミノ酸スコア、プ=プロテインスコア

 プロテインスコア、アミノ酸スコアに続いて出されたタンパク質の質を評価する方法で、PDCAAS(タンパク質消化性補正アミノ酸スコア)やDIAAS(消化性必須アミノ酸スコア)といった、タンパク質の消化されやすさを加えて改正されたものもあります。日本ではまだなじみのない評価方法ですが、アスリートにとって今後は、これらも使用しながら食事の質を高めていく必要がありそうです。

豆乳クラムチャウダー
豆乳クラムチャウダー

 今回紹介するレシピは「豆乳クラムチャウダー」。寒くなってきて、温かいスープが飲みたい季節になりました。

 クラム=アサリで動物性タンパク質、豆乳で植物性タンパク質がとれる汁物です。ルーがなくても簡単に、家庭ですぐにできる具だくさんスープ。さっぱりとした仕上がりのスープなのに栄養価はとても高いので、朝ごはんや遅めの夕食にもおすすめです。