「糖質オフ」「糖質カット」「低糖質」「ロカボ」など、糖質を制限する食生活やダイエット法がはやっていて、糖質を制限した商品も開発されています。糖質とは、炭水化物から食物繊維を差し引いたもの。糖質を過剰摂取し、エネルギーにならずに余ってしまうと、脂肪として蓄えられたり、糖化(身体のタンパク質が焦げ、老化する)したりします。

 アスリートにとっても、糖質を使い切れずに糖化されることは、ケガなど炎症にもつながるため、注意が必要です。また、シーズンを通して体重の増減のカギとなるのが、糖質の摂取量だと考えます。

 摂り過ぎによるマイナス点はありますが、特にスピードや瞬発力を重要とするアスリートにとって、糖質自体は欠かせないものです。摂取すべき糖質量は、体格、基礎代謝量のほか、その日の運動量、強度、競技種目、運動前・中・後などのタイミングによって大きく変わってきます。大まかな指標はありますが、実際は個人で異なるため、色々試しながら必要量を見つけていくことが重要です。

体格、運動量、タイミングなどで異なる

 また、血糖値がどれだけ上がりやすいかの指標であるGI値も大切な要素です。糖質をコントロールし、上手に味方につけることで、体格やパフォーマンスアップに大きな影響を及ぼすでしょう。

 糖質は、運動前のエネルギー源になり、リカバリーにも大きな役割を果たします。運動後、枯渇した筋肉の中のグリコーゲンを糖質ですばやく補うことで、筋肉の修復スピードが上がります。この時は、GI値が高い食品ほど吸収が速く、効率的です。

 運動による刺激で、「GLUT4」というタンパク質が発現します。このGLUT4は、糖分(グリコーゲン)を筋肉に取り込む働きをします。普段運動していない時にGI値が高いものを大量に摂取したり、空腹時に高GIのものを摂ると、血糖値が急激に上がってインスリンが分泌され、低血糖を招くことがあります。しかし、運動後に高GIの食品を摂ったとしても、GLUT4の作用により、筋肉に糖分が取り込まれます。

 このメカニズムを考慮して、運動前・中・直後は高めのGI値食品を選び、運動後から時間がたつにつれ、低~中GI値へとシフトしていくことをオススメします。運動時間や強度によって、量は調節していきましょう。GI値の高さと糖質の量を考えて、糖質コントロールをうまく行うことが重要です。

 ただ、日本人は元々、炭水化物中心の食材、商品が多い食生活を行っているため、摂りすぎには注意が必要です。

バナナとココナッツオイルの卵ケーキ
バナナとココナッツオイルの卵ケーキ

 今日紹介するのは、持久系アスリートの試合前や練習前にオススメの補食レシピ「バナナとココナッツオイルの卵ケーキ」です。小麦粉や米粉などの穀物系の炭水化物や砂糖を使わず、バナナの自然の甘みを生かした卵ケーキです。すぐにエネルギーとなるバナナに加え、卵とココナッツオイルで消化吸収を緩やかにし、腹持ちをよくします。砂糖を使っていないので、普段のおやつにも最適です。