今回は、よく保護者の皆さんから質問される栄養補助食品(栄養機能食品やトクホなどすべて)の必要性についてお伝えします。

栄養を補助するというさまざまな商品が、市場に出ています。ジュニアアスリート向けですと、背を伸ばす、骨を強くする、体脂肪を燃やす、好き嫌いの多い子のために野菜の代わりになる、などでしょうか。

特に「カルシウム」は骨を強くする、背を伸ばすというイメージが強いので、そのような商品があると「摂らせないと!」と思う保護者が多いようです。

しかし、そういった栄養補助食品には本当に、その目的にあった栄養素が含まれているのでしょうか。以前、実際に質問を受けたある商品の成分を見てみます。

「背を伸ばすためにとりたい」とされる補助食品の栄養表示成分(1回分あたり、16g)

エネルギー=63kcal
タンパク質=1.2g
脂質   =1.1g
炭水化物 =13g
食塩相当量=0.047-0.47g
カルシウム=260mg
鉄    =6mg
ビタミンC =20mg
ビタミンD =2.8μg
ビタミンK =7μg

食品に当てはめてみると…

この成分の量を食品に当てはめてみます。

この補助食品にはカルシウムが260mg入っていますが、カルシウムは牛乳コップ1杯(200ml)で220mg、シシャモ3尾で198mgとれます。骨を作るには、カルシウムだけでなくマグネシウムも必要なことを考えると、マグネシウムも99mgとれるシシャモ3尾の方が有効に思えます。

また、骨の健康に必要なビタミンD、ビタミンKも含まれていますが、ここに記載されている量はかなり少ないもの。ビタミンDは、シラス大さじ2で6μg、サケ1切れで26μg、ビタミンKにおいては納豆1パックで300~400μgもとれてしまいます。ちなみにビタミンCも、フルーツや野菜を食べれば、簡単にとれてしまう量しか入っていません。

カルシウムと鉄に関しては割と多く入っているので、それだけを目的とするならいいと思いますが、それなら牛乳を飲んでも変わらないと、私は考えます。

また、1回分16gのうち13gは炭水化物なので、その大半が砂糖であることも想像できます。飲みすぎれば体脂肪が増えたり、おなかがいっぱいになって本来の食事が入らないといったデメリットも考えられるでしょう。

このように補助食品に頼らず、食事で栄養バランスを整えた方が、必要な栄養素を多くとれることもあります。もちろん、すべての補助食品がそうではなく、有効成分の多いものもあります。自分の目でしっかり成分を確認し、必要かどうかを見極め、賢く選択できるようにしていきましょう。

冷めてももちもちでおいしい「切り干し大根入りもちもち大根もち」
冷めてももちもちでおいしい「切り干し大根入りもちもち大根もち」

今回紹介するレシピは、旬の大根を使い、ちょい足しで栄養価を格段にアップさせた副菜「切り干し大根入りもちもち大根もち」です。

切り干し大根のほかに桜エビ、干し椎茸、チーズを入れて、みそで味をつけました。カルシウム、マグネシウムも豊富で、身長を伸ばすためにもオススメのレシピです。冷めてももちもちなのでお弁当にも。ぜひお試し下さい。

管理栄養士・園部裕美