ビタミンDが骨の健康に必要だということはよく知られていますが、近年の研究では、ビタミンDの欠乏が免疫、炎症、筋肉機能に大きな影響を与えることが分かってきており、アスリートの全体的な健康とトレーニング能力までも左右する可能性があります。これからの季節は特に、感染症の予防のためにも、ビタミンDの摂取が大切です。
筋肉には、ビタミンDを受け取る受容体があります。ビタミンDと受容体が結合することで、筋肉中のタンパク質合成が促進されます。しっかり摂取して、体内のビタミンD濃度を維持することにより、筋肉の増強効果が期待できるということです。
しかし、ビタミンDは世界的に不足しています。環境省の「紫外線環境保健マニュアル2015」は、食事だけでビタミンDを満たすのは難しく、日光浴と組み合わせることが大切だと記しています。住んでいる地域や季節、時刻、天候、服装、皮膚色(スキンタイプ)など多くの要因で左右されるため、一概に日光浴の推奨時間を表現することはできませんが、標準的な日本人の肌色であれば、夏では約3分、冬では約50分の外出が必要といえるようです。
次のページ屋内競技の選手はより多く必要なビタミンD