「カルシウム補給のために牛乳を毎日1リットル飲んでいます」といった声をまだまだ聞きます。

背を伸ばすため、体を大きくするため、骨を強くするためには、カルシウムだけでなくマグネシウムも必要です。マグネシウムがほとんど入っていない牛乳をたくさん飲んでいると、カルシウムは摂れますが、マグネシウム不足に陥ってしまいます。

一緒にマグネシウムが大切

乳製品はカルシウムの吸収率が良いといいますが、吸収率が良い、イコール骨が強くなるとは限りません。先述した通り、マグネシウムを一緒に摂ること、タンパク質など他の栄養素と組み合わさって初めて骨の成長につながるのです。

牛乳は乳脂肪も多いため、過剰に摂ると体脂肪増の原因にもなります。「食事は気をつけているのに、なんで太るんだろう」というアスリートが、牛乳を飲み過ぎていた例も少なくありません。

積極的に「小魚・海藻・ゴマ」

そこで、カルシウム・マグネシウム補給のために、アスリートに積極的に摂ってほしいのが「小魚・海藻・ゴマ」です。

これらはカルシウムだけでなく、マグネシウムも豊富に含みます。特に小魚(煮干し、シラスなど)は汚染の心配が少なく、丸ごと食べられるため、タンパク質・カルシウム・マグネシウムを効率よく栄養摂取できます。

この組み合わせで最適なのが、おせち料理でもある田作りです。また、おせち料理には、昆布巻きなど海藻をとれる料理もあるので、カルマグ(カルシウム+マグネシウム)の補給にはぴったりですね。

今回は、この田作りをアスリートらしく、より栄養価をアップさせたレシピ「いりことゴマのアスリート田作り」を紹介します。いりこ(煮干し)、ゴマ、ナッツ、昆布(出がらしがあれば)を加えて、市販のものとは違った適度な甘さに仕上げました。

お正月だけでなく、普段の補食としても食べてもらいたいメニューです。冬休み中、テーブルの片隅に置いてつまめるようにしておくと、おやつで栄養補給ができて一石二鳥です。ぜひお試しください。

管理栄養士・園部裕美