今回は自律神経と消化の関係についてお話しします。

自律神経とは、循環器、呼吸器、消化器など体内活動に必要な器官の活動を、自分の意思とは関係なく自動的に調整している神経です。自律神経には、以下の2種類があります。

交感神経
心と体を緊張させて、興奮状態、やる気に導く役割

副交感神経
心と体を鎮め、リラックス状態に導く役割

交感神経と副交感神経の2つが、バランスよく機能している状態が望ましいとされています。

アスリートは、試合中や練習中は交感神経を優位にし、睡眠中や食事中は副交感神経を優位にすることでリラックスできます。この切り替えがうまくできないと、体調を崩しやすくなってしまいます。

例えば、ずっと緊張状態が続いていたり、何もやる気が起きなくなってしまったり、体が重い、胃のむかつきやめまい、動悸、不眠などの身体症状、不安・緊張・焦り・イライラのような気分の変化も起きやすくなります。

消化をつかさどるのは副交感神経

その自律神経と消化は深く関係しています。消化は、副交感神経がつかさどり、リラックスして落ち着いて食事ができないと、消化不良が起こります。交感神経が優位の状態にあると、次のように胃がうまく動かないのです。

・胃酸分泌不安定
・胃粘液減少
・胃の蠕動(ぜんどう)運動の低下
・胃壁再生の低下

慌ただしくかき込むように食べる、きちんと座って食べることができない、何か他のことに意識がとられて食事に集中できない、ということはないでしょうか。そのような食べ方がクセになっている人は、おなかの調子はどうでしょうか? 

しっかり食べることだけでなく、食べたものをきちんと消化して吸収するまで(代謝)がとても重要です。下痢や便秘にもなりやすく、せっかく食べても体に吸収されなければ、もったいないですね。胃腸の状態が今ひとつのときは、特に心を落ち着けて食事の時間を作ると良いでしょう。

今回紹介するレシピは、カボチャのおやつ「しっとりガトーパンプキン」です。カボチャのほか、豆乳、米粉、はちみつなどを使います。この時期は、冷やして補食にしてもおいしく食べられます。ぜひお試しください。

管理栄養士・園部裕美