イタリア料理、というとまず頭に浮かぶ食材がトマト。16世紀に南米からヨーロッパに伝わりましたが、当初はその美しい色を愛でるための鑑賞用で、食用になったのは18世紀になってから。イタリアでは南部で栽培されはじめ、その味わいと食欲をそそる鮮やかな赤い色が絶賛され、以後、南イタリア料理には欠かせない食材となりました。
トマトが広まる前の南イタリアのパスタソースの多くは、豆や、ペコリーノという羊のミルクのチーズ、ハーブとオリーブオイルを和えたもの、といった地味な色合いのものが多かったとか。ちょっと想像できないものばかりですね。
鮮やかな赤に抗酸化作用、疲労回復
今回ご紹介する料理「鶏肉のパプリカ煮込み」は、イタリアの家庭料理のひとつ。鶏肉をパプリカとホールトマトでやわらかく煮込んだものです。トマトの赤い色に含まれるリコピンには抗酸化作用があり、疲労回復にも効果があるといわれています。
また、トマトはうま味成分であるグルタミン酸を豊富に含んでいるので、煮込み料理に使うとぐっと味わいが深まります。鶏もも肉は、皮をはずすと大幅にカロリーダウンできますが、加熱により縮みやすくなりますので、大ぶりにカットしましょう。
パプリカは疲労回復に役立つビタミンEが豊富。加熱をすると甘みが増しますのでソースの味をより複雑にしてくれます。そのままパンと合わせていただくもよし、ゆでたパスタに絡めるもよし。またカレーのようにご飯にかけて食べるのも、オススメの食べ方です。