ナスやズッキーニなどの夏野菜をトマト風味で煮込んだ「カポナータ」。「ラタトゥイユ」と同じ、と思っていませんか?
カポナータは、南イタリアのシチリア島の郷土料理。それに対してラタトゥイユは南フランス・ニース生まれの料理です。出身地の違いだけではなく、調理法や味つけもそれぞれに違います。
カポナータは、ナスを一度揚げ焼きしてから煮込んでいきます。シチリアでは美味しいオリーブオイルが取れるため、オリーブオイルの味わいや健康効果もここに含めていくのです。
そして、カポナータの味つけは「アグロドルチェ(アグロ=酸っぱい ドルチェ=甘い)」といい、砂糖とワインビネガーで甘酸っぱく味付けるのがお約束。これはその昔、冷蔵庫がない時代に暑い時期にも料理が傷まないように、とか、甘酸っぱい味わいで元気がでるように、という工夫からなされた味つけだと言われています。夏野菜を炒めてトマトで煮込んで作るラタトゥイユとは、この味付けが違っているのです。
カラフルでビタミン豊富な野菜をたっぷりと
ナスの皮の紺色はナスニンという色素で、視力の改善に効果があります。ズッキーニやパプリカはビタミンAやCが豊富、風邪の予防にも効果があります。また甘酸っぱい味つけで食欲も促進します。
季節の変わり目、湿気も多くなんとなくだるいこのシーズン。甘酸っぱい副菜をプラスして、元気に乗り切りましょう。