旬は秋と思われそうなキノコですが、人工的に栽培する技術が発展してから一年中、手に入るようになりました。そのおかげで価格も安定し、品ぞろえも豊富になり、今では何種類ものキノコがスーパーの棚に並んでいます。

菌類の仲間で低カロリー

野菜の一種ではなく、生物的には菌類の仲間。とにかく低カロリーで、腸内環境を整える食物繊維が豊富です。

食物繊維以外には、ビタミンB群(特にB1、B2)、ビタミンDが多く含まれています。ビタミンDはカルシウムの吸収を助けて歯や骨の強化や、筋肉を増強する働きがあることで知られています。

そのほか、マイタケにはβグルカンという多糖類が含まれ、免疫機能に作用する力があります。マッシュルームにはグルタミン酸といううま味成分が含まれているため、料理の味がぐっとおいしくなります。

今回はキノコを使った簡単なおかず、「キノコのチーズグラタン風」を紹介します。カルシウムたっぷりのチーズとキノコと一緒に摂ると、カルシウムの吸収がアップします。

栄養価やうま味高めるコツ

そんなキノコには、保存や調理にちょっとしたコツがあります。

まず、水洗いするとすぐに傷んでしまいます。ほとんどのキノコが栽培種なので、洗わずに食用にできますが、汚れが気になる場合はキッチンペーパーなどでふきとってから使いましょう。

調理の際、キノコから出てきた水分には水溶性のビタミンが含まれているので、捨てずに一緒にいただきましょう。スープやみそ汁の具にするのも効果的です。

また、栄養価やうま味をより引き出すには、一度冷凍するのがオススメ。冷凍することで凍った水分が細胞膜を破壊するので、栄養成分などが溶け出しやすくなるのです。調理は、凍ったままするようにしてください。

使い切れなかったキノコは、先にお伝えしたように冷凍するか、太陽の光にあてて軽く乾燥させるようにしましょう。乾燥させると水分がなくなり、栄養効果がその分、濃くなります。

手軽に気軽に使えるキノコ、色々な料理に活用してみましょう。

料理家・山内千夏