冬の終わりから春のはじめになると、目にする野菜の中に「新タマネギ」があります。通常のタマネギは外側が茶色いのに対し、新タマネギは白、もしくはうすい黄色。新タマネギは通常のものと、どんな点が違うのでしょうか。
何が違う?新タマネギと通常のタマネギ
通常のタマネギは、収穫してから市場に出回るまでの間に、低温でゆっくり乾燥させる行程が入るので、常温で販売できるような状態になります。一方、新タマネギは収穫してからすぐ市場に出回るため、水分が多く、みずみずしい状態なのです。
もちろん、保存にむく品種、生で食べたほうがおいしい品種など、品種による違いもありますが、大きく分けると、「通常のタマネギは乾燥して保存させやすくしたもの」「新タマネギはフレッシュ感を大切に食べるために作られているもの」という区分けになります。
成分は、ともに同じ。体内デトックスに効果があるカリウムが豊富で、また血液をサラサラにしてくれる効果があります。水分が多く甘味が強いので、水にさらさなくても苦みや辛みを抜くことができます。加熱しても甘くおいしいのですが、栄養成分を考えるのであれば、生で食べた方がいいでしょう。
ただし、水分が多いため、通常のものほど日持ちしません。冷蔵室に入れて約1週間で食べきるのがおすすめ。購入後すぐにスライスし、タマネギの重量の1~2%ほどの塩をまぶし、しんなりさせたら酢やオイルと混ぜるだけでできる「新タマネギマリネ」を常備しておくと、とても便利です。
ゆでたブロッコリーやジャガイモ、切っただけのトマトなどを混ぜてすぐにサラダが出来上がります。今回紹介する「新タマネギマリネのお手軽サラダ」も、常備しているマリネに他の野菜を加えて、時短サラダとしても使えます。
マリネした際に出る水分には、水溶性の栄養素が溶け出しているので、ぜひ汁ごと、ドレッシングのようにしてお召し上がりください。また、かつお節やシラスなどと混ぜて、ご飯にのせてもおいしく食べられます。
【料理家・山内千夏】